第７１話 苦悩 ページ24
相手のスローインで試合が再開される
迫ってくる相手のMF、香芽の前に立ち塞がったのは土門だった
土門 ｢いっちょやりますか...
キラースライド！｣
ブロック技でボールを奪う土門
キラースライドは帝国選手が使う必殺技だ
そしてボールはゴール前の壁山と豪炎寺へ
豪炎寺 ｢行くぞ壁山...！｣
壁山 ｢は、はい！｣
高く飛んだ二人の元に、相手DFの鶏井が迫る
それでも、二段ジャンプが成功すればかわせるはずだ
(いける...！)
...が
壁山 ｢うわぁっ！｣
高さを克服できない壁山により、また失敗してしまった
A ｢壁山君...｣
壁山 ｢やっぱり、俺には出来ないっす...！｣
その後も何度か訪れたシュートチャンスは、壁山のせいでどれも失敗に終わってしまう
そして失敗によりボールを奪われると、円堂にかかる負担が自動的に大きくなる
...と、ここで前半が終了
(お互い無得点だけど、試合を支配しているのは完全に野生中だな...)
ベンチに戻ってきた皆の表情は暗い
何だか、暗い表情ばかり見ている気がしてしまう
(円堂君にかかってる負担も相当だろうな…)
と心の中で呟きグローブを外した円堂の手に視線を向けると、見たこともないくらい真っ赤になっていた
A ｢円堂君、その手...大丈夫...？｣
円堂 ｢このくらい平気だ！それより同点なんて、凄いことじゃないか！｣
(どうやったら、そんな明るいことばかり考えていられるんだろう…
試合の流れは完全に掴まれているのに...)
何とも言えない思いで円堂を見つめていると、
壁山 ｢俺を...DFに戻してください｣
と壁山が弱った声色で呟いた
A ｢壁山君...？｣
壁山 ｢俺には、イナズマ落としはできないっす…｣
壁山の表情は誰よりも暗い
(壁山君が凄く苦しんでいるのは分かる...これだけ皆の期待を背負ってれば、だけど...
私には、どうしていいのか分からない...)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2018年5月4日 0時
