第３９話 異様な特訓 ページ41
染岡と別れた後...
私はとある場所を訪れていた
(この鉄塔から見る夕日は、相変わらず格別だね...)
そう心の中で呟きながら夕日を眺めていると、ふと見慣れた声が聞こえた
声のする方へ行くと案の定、そこいたのは円堂だった
A ｢円堂君｣
円堂 ｢A！｣
A ｢またここで特訓してたんだ...｣
私がそう言うと、円堂は驚いた表情を浮かべた
円堂 ｢あれ、俺がここで特訓してたこと、Aに言ったっけ？｣
A ｢あ、そうだった…｣
(あれは雷門に転校する前のことだったっけ…)
二人でベンチに座る
私は、以前鉄塔で円堂を見かけた時のことを話すことにした
A ｢私、よくここに来るんだ...ここから見る夕日が...景色が好きなの
前の学校でもサッカー部にいたんだけど、ちょっと...色々あって...｣
私はその時のことを思い出す
影山から転校という名のスパイとしての潜入を言い渡された時のことだ
(あまり詳しくは覚えてないけど...迷いだけはあった、だからこの鉄塔に来た)
A ｢それで、気持ちを落ち着かせるために、ここの鉄塔に来たら...
男の子が必死になって特訓してたんだ｣
その時は特訓だとは思えなかったが、今思えば、その男の子にとってそれは特訓だったのだろう
(タイヤへの体当たりが、まさかサッカーの特訓だったなんて思いもしなかったな…)
A ｢...それが、円堂君だったんだ｣
その必死だった姿に、私や帝国の皆も、かつては強くなるために血の滲むような思いで特訓をしていたことを思い出した
その時だった気がする...帝国の皆を、影山の支配から助けることを思いついたのは
(今思えば、かなり無計画だったな...
詳しいことなんか何も考えずに、皆のことを助けたいとだけ思っていた...)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2018年4月7日 1時
