【無印イナイレ】最強少女と天才少年１【鬼道有人】 (ページ26)

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第２４話少年の思いページ26

※鬼道side※

ベンチに座るその少女に、俺は驚きを隠すことができずにいた

(...Aがなぜ雷門に？)

転校のことはもちろん知っていたが、まさか転校先が雷門中だとは思ってもいなかったのだ

(なぜAを雷門に転校させながら、総帥は今回の練習試合を計画したんだ...？

てっきり“豪炎寺修也”の実力を確かめることだけが目的だと思っていたが…まさか他にも...？)

そんなことを考えながら、先程のチームメイトとの会話を思い出す

辺見｢鬼道さん、聞かされてなかったんですか？Aの転校先...｣

鬼道｢...あぁ｣

正直転校先も、転校の理由も知らなかった

...が、他のメンバー達は皆それを知っていたようで

(雷門がどうだスパイがどうだの、あれはAのことだったのか…)

するとそれに関して更なる疑問が頭に浮かぶ

(総帥はなぜそのことを“俺にだけ”言わなかったんだ...？それとも...)

なんとか冷静を装うが、頭ではAのことを考えずにはいられなかった

(帝国にいた頃からあまり話してはいなかったが、まさかこんなことになるとは...)

以前から、Aは影山に対し否定的だったらしい

それは、佐久間や源田から聞いたあくまでも“噂”だったが...

(あの様子だと、噂は本当なのかもしれないな…)

Aは逃げ出した雷門の選手のことを酷く気にかけているようだ

それに先程俺のシュートを止めたことが、何よりの証拠だろう

(Aは、俺達帝国と敵対することを望んでいた、ということか…

...俺の“努力”も、無駄だったのかもな)

Aは昔から自分の殻にこもるタイプだ

影山に引き取られてから、それは更に悪化したように思える

(幼い頃血の繋がった父親があんな事件を起こしたんだ、殻にこもってしまうのは当然のことなんだろう、だが...)

そんなAを、俺は助けてやりたかった

救ってあげたかった...Aが、心から笑っていられれば...そう思っていた

(...いや、そう思う気持ちは今も変わらない)

幼い頃孤児院で出会い、声をかけたのは俺だ

今思えば、あの時なぜAに声をかけたのか...自分でも分からない

自分と同じでサッカーが好きだったから...そんな理由なのかもしれないが、違う気もする

雷門のジャージを着た、幼い頃の面影が残るAを見つめる

(何があっても、何を犠牲にしたとしても、Aのことは俺が必ず )

──救ってみせる