【無印イナイレ】最強少女と天才少年１【鬼道有人】 (ページ11)

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第９話増える心配ページ11

痛めた足を引きずり、私はゆっくりとベンチに腰掛ける

痛みはだいぶ和らいだが、まだ少しズキズキしていた

(そんなことより壁山君...どこに行っちゃったの...)

事の発端は数分前...

鬼道が円堂を狙った騒動が静まった直後、別の問題が起きてしまった

雷門サッカー部一年の壁山が、トイレに行ったっきり戻ってこなくなってしまったのだ

そんな壁山を雷門の皆が探しに行ったことから、試合の開始が遅れてしまっている

今グラウンドにいるのは、ベンチに座る私と、隣で何度も時計を確認している雷門の顧問、冬海先生

そして、腹を立てているであろう帝国の皆だ

そしてまた冬海先生も、相手を待たせていることにご立腹のようだ

その理由はだいたい分かっていた

(まさか、顧問までお父様の手下だったなんて...)

試合を見るために集まった雷門の生徒達は相変わらず騒がしいが、グラウンドに流れる空気は重いまま

私も壁山を探しに行こうとしたが、足が痛むだろうと止められてしまった

(壁山君のことといい残りの一人といい、心配事は増えていくばかり...)

実は先程、木野が残りの一人を連れてきてくれたのだ

しかし試合に出る代わりに10番のユニフォームを着たいと行ったその眼鏡の少年は、運動がからっきしらしく...

そんな人が帝国と戦ってしまったら、それこそ怪我や事故に繋がってしまう

(それは分かってる、分かってはいるけど...)

壁山が見つかったとしても一人足りない雷門にとっては、人を選んでいる時間はなかった

(...ごめんね、目金君...けど、何かあったら、その時は私が何とかするから...)

そう心に言い聞かせ、私は皆が戻って来るのを待つ

しかし、その時の私は全く思ってもいなかった

最悪の事態...帝国学園が、まさかあんなにも残酷なことをするなんて──