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輪廻螺旋の夢―8 ページ35

一瞬だった。


女の背後から銃弾を5発、撃ち込んだ。


女は避けようとしたが、避けきれなかった。
バランスを崩し、女は地面へと倒れて行く。









ジンを見つめて。




「来てくれたんですね、アニキ」


…ジンの舎弟的ポジションのウォッカはこの倉庫に辿り着くまでにジンに応援要請の一報を入れていたのだ。





「あの女、身元が分かったか」


「いえ戦闘能力が異常に高いくらしか…



…って、あれ、あの女!」




ふと女の方へ目を向けたとき、女の姿は消えていた。


代わりに、彼女の血が床に染みていた。



「放っておけ、どうせアレは致命傷だ。
直に死ぬ」









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



なんとか、逃げ出し、大通りへ出て歩道に座り込んでみるが人通りがほとんどない。





…どちらにせよ、この傷じゃもうダメか…。






「あなた!どうしたのその怪我…!」



顔をあげてみると綺麗な女性が立っていた。


あー…、確か原作でいたな。


確か…佐藤刑事?だったか…。


「しっかりして!救急車呼んだから」


「あ〜…。多分もう、無理かな。
最期に、美人を拝めて良かったぜ」


「何を言って…」

と言って言葉を詰まらせた彼女。

当たり前だ。腹部からの出血は激しく、血溜まりが出来ているのだから。

誰が見ても、もう手遅れかも知れないと諦めるだろう。




でも、オレは諦められない。

少なくとも、この命だけは終わらせられない。





…あぁ、そうか。

オレは、“ただの人格”だ。


それは、つまり…。




「なぁ、美人さん。頼みがあるんだ。

“私”が次目覚めたらさ__________。」





「…えぇ、わかったわ。」




最期に、遠くから聞こえる救急車のサイレンが聞こえなくなり、何も見えなくなる。


指先の感覚は既になく、ただ、

“死にたくない”

という思いがあった。


けど、大切な人と夢がある。


オレの名前はリンネ。


“輪廻”とは言い換えるならば“無限に途切れることなく続く”ということ。




…お前は、嘘つきな人間だと言っていた。けどな、恥ずかしがることはないんだ。臆病なお前が未来を見ているんだ。

あぁ、他の奴らが羨ましいぜ。

…オレはお前の夢を見送ることさえもう、叶わない。




でも、オレの夢はきっと…………。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
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paranoia(プロフ) - めーめさん» ご指摘本当にありがとうございます…!主人公ちゃんはちょっとツンデレな部分もありますがよろしくお願いします(笑) (2018年3月19日 0時) (レス) id: 1c11084766 (このIDを非表示/違反報告)
めーめ(プロフ) - 27、真一君じゃなくて新一君だと思います! 強がりな主人公も可愛くて好きですw (2018年3月19日 0時) (レス) id: a5dfe9bc59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:paranoia | 作成日時:2018年3月16日 14時

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