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崇裕 side
なんやらAは浮かれたような雰囲気で、きっとそれはライキが理由なんやろう。
鼻歌まで歌って、、、ええ事あったんやな。
少し寂しさを感じながらも、これでええんやとホッとした。
.
そして次の週からAは引き継ぎのために1週間店に復帰して、
そのあとみんなに惜しまれながらうちの店を去り、本格的な就職活動を始めた。
さっそくこないだ言うてたカフェに面接を受けに行く約束を取りつけたみたいや。
…順調やな。、、と思っていたら、俺が仕事から帰るとテーブルのところで頭を抱えとるA。
どうしたんか聞くと、
『崇裕、、、履歴書書くコツ教えて…泣』
と、しょんぼりしながらテーブルで履歴書とにらめっこしとった。
「コツって、、なんもそのまま書けばええやろ、」
『中卒でもいいのかな、』
「ええやろ、ほんまのこと書けや。嘘書いたら捕まるで、」
『えっそうなの?』
「経歴詐称やで。詐欺やわ。」
『ええ〜、、』
「アホなこと考えてんとありのまま書いとき、悪いことやないんやから。」
『職歴も全然ないのに雇ってもらえるかなあ…』
「しゃあないやろ。それよりお前がどうしてその職に就きたいかとかをちゃんと書いたり面接で説明せえや。
お前はただ自分にできることやっていろいろ菓子作っただけと思っとるかもしれんけどな、ウチの店で定番メニューを開発したのは立派なことやろ。」
『……そっか、』
「自分にできることをどう役に立てたいとか、そういうことが大事やろ、」
『そっか、、、そうだね!!ありがとう!!』
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作者名:ふう | 作成日時:2022年11月30日 22時