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「……なぁ、ライキに礼したい言うてたやん、」
『うん!お菓子作って渡そうかなって』
「今度、ここに呼ぶか?」
『えっ、ここに?』
「そう、Aが大丈夫やったら飯作ってやってくれへんか、?俺も一緒にやるし、」
『わぁ!それいいかも!楽しそう!』
「おん、あいつ羨ましがっとったから、笑」
『なにが?』
「オーナーはAの手料理食えるんやーって、」
『ふふ、そんな大したもの作ってないけど、笑』
「料理好きやし、礼したい言うてたからちょうどええかなと思って、」
『うんうん!めちゃいい!!』
「ほんなら今度の金曜あいつ休みやし連れてくるわ」
『オッケー!なに作ろうかな〜』
楽しそうに思案を巡らすAを見ながら、さっきのことを思い出して少し気持ちが翳るのを感じた。
……そうや、もうあの男のことは心配いらんし、やっと新しい生活に向かって動き出すんやな。
もう新しい職場を見つけて、Aはここを出ていくんや。
自分が自立せえって言うたんに、すっかり忘れとった。
これからAは、俺とは別の所で新たな人生を歩んでいくんやな……。
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作者名:ふう | 作成日時:2022年11月30日 22時