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崇裕 side










Aは順調に回復していった。








俺が見舞いにいけば、笑顔で話しかけてきて、以前のように穏やかな時間が流れた。Aはよく喋ってよく笑って、その姿を見るだけで俺の心は温かいもので満たされた。
俺にとってAの存在がどれだけ大きい物やったんか思い知らされた。








ライキも毎日のように見舞いに来た。








2人は歳も近いからか仲が良く、なんやかんや盛り上がっとった。







きっとライキはAに気があるんやろう。店ではそんなこと思わへんかったけど、あの事件の日から心境の変化があったんかもしれん。
大学やバイトの合間に足繁く見舞いに通うあいつは、Aに向ける目が愛おしさで溢れとる。









……ライキとやったら、きっとAは幸せになれる。
あいつは生意気なトコもあるけど、思いやりもあって責任感もあって、面倒見もええし、ほんまにええ奴なんや。











ライキには歳の離れた弟がおるんやけど、その子が産まれてすぐに母親が亡くなって、父親と3人で暮らしとる。
仕事で忙しい父親を支えるために、あいつが親がわりになって弟の面倒見てんねや。










優しいあいつには幸せになってもらいたいって、ほんまにそう思う……。












 

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作者名:ふう | 作成日時:2022年11月30日 22時

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