paralyze2 (ページ49)

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「こっちの大学に進学を決めたんは、父親から逃げる為やった。もちろん母親にも一緒に逃げようって言うた。やけど母親はそれを拒否した。

……父親なしでは生活できひんって。自分には働く能力がないから、って。
それに、あの父親を支えてあげられるんは自分だけやから1人にはできへん、って。

共依存ってやつやったんかもしれん。Aなら分かるんちゃうか？その気持ちも。」

『……、うん、、、。』

「それでも俺は、事あるごとに家を出るように説得した。やけど結局母親が首を縦に振ることはなかった。

こっちで仕事が軌道に乗って、お金を貯めて、マンションを準備して。もう生活に困るなんて言わせへん、って迎えに行こうと思った矢先に、、、

…母親は首を吊った。」

『、、、っ、！！』

「……疲れたんやろな。辛かったんやろう。
身体的な暴力だけやなかったからや。お前は無能や、生きとる価値がない、って毎日言われ続けて、心も体ももう限界やったんやと思う。

遺書には父親への恨みつらみは書いてへんかった。ただ、謝罪の言葉と、俺が独り立ちできてよかったって書いてあった。

もしかしたら俺が自立するんを見届けたら、って決めとったんかもしれへん。」

『………、う、、、そ、、、っ、、。
……ごめん、、、あたし、、なんて言ったらいいか、、、。

……あ、、、その、お父さんとは、今は…？』

「父親は、母親が亡くなってから荒れに荒れて、自分が起こした車の事故で死んだわ。」

『！！』

　