48 ページ48
「…父親はわりとええ会社に勤めとって、わりとええ役職もついとった。外面はええし周りの人からは立派な人やと言われとった。
母親は結婚してからは家に居って欲しいって父親に言われたらしくて、ずっと専業主婦をしとって長い間社会に出てへんかった。
…俺が物心ついたころから暴力は日常的にあったから、俺が生まれる前からもあったんやろうな。
最初は俺を標的にすることはなかったけど、母親を庇っていく内に俺にも手をあげるようになってった。
……何年も何年も続いた。
続いたっちゅーか、、、それが普通やった。
俺や母親がちゃんとせえへんから悪いんやって。そういうもんなんやって思っとった。
やけど学校で友達から聞く話はなんや様子が違ってな。
父親って暴れるもんやないんやって、ある時気付いた。
やけど威圧的で体格の違いすぎる父親に逆らうこともできずにただただ黙って言いなりになるしかなかった。
……いや、ちゃうな。
何度か抵抗してみたけどあかんかったんや。…余計酷い目に遭うて、、特に母親が…、お前の育て方が悪いから言うて執拗に責め立てられて……。
やからもう諦めたんや。俺が余計なことせんければ母親の被害も少なくて済む。なるべく静かに、波風立たせんように過ごすことを選んだ。
機嫌が良い日の方が遥かに少なくて、俺と母親は毎日父親が帰ってくるんをビクビクしながら過ごした。
理由なんてない、ただのサンドバッグや。少しでも父親の気に障ることがあれば父親は狂人のように暴れた。
……そのうちに俺が成長して父親より体格が良うなると、仕返しを恐れてか俺や俺の前で母親に暴力振るうことはなくなったけど、俺がおらんとすぐに母親はアザだらけになっとった。」
『、、、っ、』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふう
| 作成日時：2021年12月10日 15時
