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#09 発作 ページ9
吸入器、リビングのテーブルにあるはず。
這って取りに行く？
携帯で智くん呼ぶ？
なんとか息をするのに精一杯でいたら、階段を駆け降りてくる音がした。
「A！！」
キッチンの床に崩れ落ちてる私を確認して、リビングからリリーバーを持ってきてくれた。
私が吸ったのを確認すると、私をリビングのソファーまで連れていって、抱きしめるようにして背中をさすってくれた。
もう1人、階段から降りてくる音がした。
智「A？喘息出ちゃった？
救急車呼ぶ？」
「いや、大丈夫そう」
智「ありゃ、翔かと思った。
リリーバー、よくわかったな」
「晩メシの後、吸入してたから」
智「この短時間でホントよく見てんなー。
じゃあ、あと任せてもいい？」
「もちろん」
智「A？もしダメそうなら遠慮しないで呼べよ？
カズもこき使いな？」
智くんは発作が治まりかけてる私の頭を撫でながら言うと、階段を上っていった。
私はというと、今、私を抱きしめているのがあの人だと分かってめちゃくちゃ混乱していた。
カズ「ちょっと混乱してる？笑
詳しい話は明日してあげるから、今日はこのまま寝ちゃいなさいよ。
ちゃんと一緒にいてあげるから」
初対面のはずなのに、夢で見たまんまのあの人に安心して、私は半ば抱きしめられたまま、寝てしまった。
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作者名：茉莉 | 作成日時：2023年10月30日 18時
