#18 むしろ空けてる ページ18
部活が終わって、待っててくれたカズくんに家まで送ってもらった。
和也「雨の日は生徒会室にしようね。
翔ちゃんもいいって言ってたし」
A「はーい。
愛美にラインしとこーっと」
和也「ね、なんで書道部なの？」
A「月木だけだから」
和也「あー、家の事あるしね。
でも、有段者なのにわざわざ部活でやる必要あるの？」
A「パフォーマンスやってみたいんだよね。
音楽に合わせて、何人かで大きい紙に書くやつ」
和也「へー。
ね、それって袴着てやるやつだよね？
いつやるの？」
A「袴着るね。
文化祭でやるよ」
和也「うわー、楽しみー。Aが袴」
A「ニヤニヤしないでよ！」
和也「もし、Aが書道家になったらさぁ」
A「智くんと一緒のアトリエ借りるか、別々に借りるかで大揉めするんだよ」
和也「アレってやっぱり揉めたんだ！笑」
A「そう。
智くんは一緒がいいって言うし、私はイヤだって言って、翔ちゃんがもうどっちでもいいじゃん！って」
和也「そうそう！
オレ、翔ちゃんに頼まれて、めっちゃ広いのと、そこそこの広さの2件で、全部で3件探したもん！笑」
A「あの時はご迷惑おかけしました笑」
和也「なんで別々がよかったの？」
A「だって、それぞれのペースがあるでしょ？」
和也「智くんはAと一緒にいたかったんだろうな」
A「一緒に行って、一緒に帰ろうよーみたいな事言ってた。
で、翔ちゃんに子離れしろよとか言われてた」
和也「…智くん、Aの事溺愛してるからなー」
A「…ね、なんで私が見た夢知ってるの？
私たち、同じ夢見てるって事なの？
カズくんは全部把握してるの？」
和也「お、いきなり核心！
答えてもいいけど…今だけじゃ時間足らないよ？
どうする？」
A「…だよね。
昨日聞けばよかったかな」
和也「昨日は雅紀と愛美ちゃんが一緒だったし、一昨日発作出てるから、オレからは特に話振らなかったんだよな。
とりあえず、オレはほぼほぼ把握してると思ってる」
A「明日の放課後は？」
和也「オレはいつでも空いてるよ。
むしろ空けてる。
Aとの時間をいっさいムダなく過ごしたいから」
A「…ありがと」
カズくんは繋いだ手に力を込めると、私をそのまま引き寄せた。
引き寄せられた私は、そのまますっぽりカズくんの腕の中に収まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茉莉 | 作成日時：2023年10月30日 18時
