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◇33◇ ページ34

sideA


どういうこと?


私を引き取ったって……


沖矢「このことを言うのは初めてですよね。」

A「どういうことなの……?」


意味がわからない。なんで、昴さんが?


沖矢「実は先日、院長と学校の先生がた、そして託児所の方と話をしたんです。その時にAが退学になるかもしれないということ、もう託児所にAを住まわせることは出来ないということ、全部聞かされたんです」

A「えっ、じゃあ、その時にはもう、昴さんが引き取るって決まってたの……?」

沖矢「ええ。その時点では。Aの記憶が戻ったら話は別でしたが……」



じゃあ、私はこれから昴さんと一緒……?


A「でも、迷惑かけちゃう……」

沖矢「そんなことはないです。迷惑だと思ってる人が毎日お見舞いに来ると思いますか?」


そう言われれば、私はずっと昴さんと一緒にいる。


透さんよりも、ずっと一緒にいてくれる。


A「思わない……」

沖矢「クスッ)でしょう?」



昴さんはそう言って私と目線を合わせて言った。



沖矢「私と一緒に来てくれますか?」



そのセリフに断れるわけがなかった



私の目からはとめどなく涙が溢れ出た。



沖矢「っ!ああ、こすらないで。じっとして…」


昴さんはハンカチを出して私の涙をぬぐってくれた。


沖矢「……嫌でしたか?」

A「ちがうのっ、そうじゃ、ないっ……」



喋れば喋るほど涙が出てくる。



沖矢「じゃあ、なぜ……」

A「っ、嬉しいからっ!」

沖矢「!」


半ばやけになって大声を出してしまった。



A「嬉しいからっ、昴さん、っと、一緒にって、嬉しいから、泣いてるの!」

沖矢「フッ)そうでしたか…」


途端、ふわっと何かに包み込まれた。


A「!?すば、るさん……」


私は昴さんに抱きつかれていた。


沖矢「私が一緒にいますから。だからもう、心配するな」

A「っ、うあぁ…」



私はとにかく泣いた。気持ちが落ち着くまで、昴さんの腕の中で。



しばらくして泣き止んだ私は昴さんから離れた。



A「ごめんなさい。酷いこといって…」

沖矢「気にしてませんから。…おや、」

A「何?」

沖矢「ひどい顔だ。泣きすぎて目と鼻が赤い…」

A「そんな笑わなくてもよくないですか!」

沖矢「ふっ…すまない」


私はふてくされた顔をした。



沖矢「そんな顔をするな。君には笑顔が1番だ」



その昴さんのセリフに自然と笑顔になれた。

◇34◇→←◇32◇


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剣城萌江(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます! (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9aee53a1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - はちゃめちゃに面白かったです、、! (2020年8月7日 22時) (レス) id: bd20f305fa (このIDを非表示/違反報告)
『 』 - 面白かったです!! (2018年1月30日 23時) (レス) id: 82f14ce098 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 夢羽さん» コメントありがとうございますヽ(;▽;)ノそう言っていただけてとても嬉しいです(涙) (2017年2月21日 19時) (レス) id: 7ee6bd3e98 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽 - 完結おめでとう!とてもおもしろカッターデス! (2017年2月19日 8時) (レス) id: d3a97d98d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城萌江 | 作成日時:2016年4月18日 17時

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