・ ページ49
「あー！だいちゃん壊したぁ！」「はい、壊したー」と騒ぐ流星と丈一郎に、「待って、よお考えて？劣化してんねん。」と大吾が笑いながら弁解する。
そんなこんなでゲームをやっとスタートさせた三人。
「台風で吹きとばされスタートにもどる。なんでなん？！？」
当たったマスの内容に思わず体を反らせて嘆く丈一郎に、ガハハと笑いながら「びゅ〜！」と風の音を表現し丈一郎の車をスタート位置へ戻す流星。
その後もマスの内容に翻弄され続ける。
「かつらを買う。5000ドルはらう。あの〜、おれこれ地毛なんやけど。いらないですぅ・・」
読み終えた後、髪に触れながらそう苦笑いする大吾に、丈一郎と流星が「必要やて！」「自分で気づかんうちにハゲとんねん」と笑いをこらえながら言うので「・・あんたらの分も買ったろか？」と大吾が発すると、「いらんいらんいらん！！」と二人同時に顔の前で手を振って声を合わせて笑い出す。
「有名な絵を買い、200000ドルはらう。チッ、金ねぇのに絵なんか買ってんじゃねぇよ。」
今度は流星がふざけた口調ではありながらも毒を吐く。実は毒舌な流星だが、そのブラックな部分は、ある意味流星の魅力の一つでもある。
「ひまわりやひまわり」
「いや、モナリザやな」
大吾と丈一郎もしょうもない言い合いをし楽しそうだ。
その後も続けてギャーギャーと盛り上がった三人。
生命保険に入る、婚約者に巡り合う、子供ができる、新しい家を買う、仕事で失敗する、かけで大勝する・・色々な項目があるが、総じてまさに「人生」ゲームだ。
その時代に合わせて項目等進化している人生ゲームだが、今プレーしている物はほぼ初期に発売した古い型のものであり、今ではありえないような項目が多々あってそこがまた面白くもあった。
ゲームも終盤。
「いよっしゃあ〜！億万長者〜！」
ゴールをした大吾はそう喜びながら思わず手元のお金をバッと天井に向けばら撒いた。
するとお金がハラハラと宙に舞うそのタイミングでふと、リビングのドアが開く。
「・・・なにしとん？」
立っているのは謙杜で、舞っているお金にびっくりしながらも苦笑いを浮かべている。
その日珍しく出勤していった謙杜。もう帰宅してくる時間なのかと気づけば時刻はしっかり夕方で。いかにゲームは人を熱中させ時間の感覚を狂わせるか。怖いものだ。
「お。謙杜おかえりー」
丈一郎に続き、大吾と流星も「おかえりやで〜」と声をかける。
「ただいま。なにこのお金。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆあ(プロフ) - yuyuさん» 初めまして。読んでくださってありがとうございます。そして嬉しいコメントありがとうございます(；；)とっても励みになります…面白いとのこと、何よりの褒め言葉です…これからも私なりに頑張らせて頂きますので引き続きよろしくお願い致します…(＞_＜) (2023年1月31日 14時) (
レス) @page20 id: cd3765bd37 (このIDを非表示/違反報告)
yuyu(プロフ) - お話の文章がうますぎてその光景がすぐ頭に浮かんできます。お話もとっても面白くて吹き出すのを堪えながら読んでます笑笑こんな面白いの読んだことない笑笑これからも頑張ってください！ (2023年1月31日 11時) (レス) id: 086589b12b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：中津結亜 | 作成日時：2022年12月30日 22時
