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丈一郎に伝えたいことをゆっくり、そしてはっきりと伝えきった駿佑。
そして熱の影響で瞳をうるうると潤わせながらも、駿佑の話を聞き入るように真っすぐな瞳で聞いていた丈一郎。
ふっと微笑むと、「・・・あかん、おれ、泣きそうやわ・・・」と言うので、駿佑は眉を下げて笑った。
やっと少し雰囲気が明るくなった空間に駿佑の中でも緊張の糸のようなものが取れたのか、「あ、佐野さんに電話もらった時な、佐野さんおれにお兄さんですか、それとも弟さんですか聞いてきたねん。おれテンパってな、つい弟です言うてしまったねん。」と笑いを含ませながら言うと、「ははっおまえナイスやな。」なんてしんどそうにしながらもニカっと丈一郎も笑った。
どうやら丈一郎は、家の事情を一部の信頼している上司にしか話していないらしい。
そしてその頃、処置室の廊下には実はずっととある二人の人影が。
和也と流星だった。
駿佑からのラインを一緒に家ですぐ目にした和也と流星は、駿佑とほぼ同じタイミングで病院の処置室に駆けつけていた。若干、駿佑のほうが早かった訳だが。
処置室へ辿り着いたものの、中から聞こえる会話に思わず入らずに聞き入っていた。
ほぼほぼ最初から全部盗み聞きしていたわけだ。
駿佑と丈一郎のほのぼのとした会話が聞こえるようになったところで、「・・そろそろ入るか。」と和也が柔らかい表情で流星に声をかける。
「せやな。」
流星もそう微笑むと、中に足を踏み入れた二人。
盗み聞きはよくなかったと思いながらも、なんかいい空間を見た、と、それは二人にとっても微笑ましく、感慨深いものだった。
．
「ええなぁ〜。こういうのなんか憧れるなぁ〜。」
仕事を終えた面々が次々と帰宅した時間帯、リビングで謙杜から可愛い声が発せられていた。
ドラマを見ていた謙杜がとあるシーンを見て、憧れる、と発言したわけだが、そのシーンとは缶ビールを片手に夜の河川敷を歩いて普段あまり話せないようなことをお酒と雰囲気に任せて楽しそうに喋り出す、というシーンだった。
いかにも大学生などがよくやりそうなシチュエーションだ。
「行ってきたらええやん。あるやろ、近くに河川敷。」
謙杜の発言にそう最初に反応したのは恭平だ。
「え、今から？」
思わず聞き返す謙杜。
「それは知らんよ、おまえが行きたきゃ今からでも行けるんやねぇの？」
そう笑いを含ませて恭平が返す。
「えー！行きたい！恭平くん一緒に行こうよ！」
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ゆあ(プロフ) - yuyuさん» 初めまして。読んでくださってありがとうございます。そして嬉しいコメントありがとうございます(；；)とっても励みになります…面白いとのこと、何よりの褒め言葉です…これからも私なりに頑張らせて頂きますので引き続きよろしくお願い致します…(＞_＜) (2023年1月31日 14時) (
レス) @page20 id: cd3765bd37 (このIDを非表示/違反報告)
yuyu(プロフ) - お話の文章がうますぎてその光景がすぐ頭に浮かんできます。お話もとっても面白くて吹き出すのを堪えながら読んでます笑笑こんな面白いの読んだことない笑笑これからも頑張ってください！ (2023年1月31日 11時) (レス) id: 086589b12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中津結亜 | 作成日時：2022年12月30日 22時
