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駿佑は大股で恭平のすぐ近くまで寄ると右耳のイヤホンを「なぁ?」と問いかけながら結構な力で引っ張り抜いた。
「っびっくりした、なんなん痛いねんけど。危ないやろ。」
恭平の言うことは正論だが、イライラとしている手前、それに謝ることはない。
「ちょっと掃除機かけたいからそこどいて。」
さっき届かなかった言葉をぶっきらぼうに口にする。
「ちょお待って。今ええとこやねん。」
どうやら見ている動画の話だろう。
だめだ、このまま話すとケンカになりそうや、そう思った駿佑は喉まで出かかった熱い何かをグッと抑え、先程途中だった洗濯物を先に処理しようと無言で一度リビングを立ち去った。
「なんやねんまじで。なにがええとこや。少しは手伝おうとか思わんのかあいつ。」
脱衣所で止まっていた洗濯機から中身を取り出しながらブツブツと文句を呟く駿佑。
この洗濯物も結局リビングに持っていかなければならないので、一度自分を落ち着かせてから洗濯物を手に再びリビングへと戻る。
恭平は相変わらずだ。
恭平の斜め前辺りを通り過ぎた時、ふと手に持っていた恭平のニットが縮んでいることに気が付いた。
「あ。やべ。これ乾燥機かけたわ、おれ。」
恭平がいつも「これ乾燥機かけんでな?」と言っているのを思い出す。
あからさまにニットを広げたのが恭平の視界に入ったのか、後ろから「え、ちょお待って、なに?乾燥機かけた?」と恭平の声が聞こえてギクリ、とする駿佑。
続けて恭平の言葉が飛ぶ。
「おい、ふざけんなよ。おれそれ超気に入ってるねんで?言うとるやん乾燥機かけんなって、なぁ」
ごめん、と謝ろうとした駿佑だが、その言葉を発する前に続けられた恭平のふざけんな、との言葉に、プツリ、と駿佑の中で我慢していたものがついに切れてしまった。
バサッ!と手に持っていたニットを含め洗濯物を恭平に勢いよく投げつける。
「だったらお前やれや!」
駿佑が間違ってしまったことは事実で、こんなキレ方をするのはお門違いなことは駿佑も分かっていた。でも、爆発してしまった感情はどうにもこうにも止めることはできなかった。
「!、はぁ?なんなん、お前何言うてんの?まず謝れや。なんやその態度、意味わからんねんけど。」
「お前こそなんなん?!ずっとぐうたら寝そべりやがって、いい加減気分悪いんやわ!」
駿佑と恭平の目が交わる。
「・・おれなんのいちゃもんつけられてんの?」
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ゆあ(プロフ) - yuyuさん» 初めまして。読んでくださってありがとうございます。そして嬉しいコメントありがとうございます(;;)とっても励みになります…面白いとのこと、何よりの褒め言葉です…これからも私なりに頑張らせて頂きますので引き続きよろしくお願い致します…(>_<) (2023年1月31日 14時) (レス) @page20 id: cd3765bd37 (このIDを非表示/違反報告)
yuyu(プロフ) - お話の文章がうますぎてその光景がすぐ頭に浮かんできます。お話もとっても面白くて吹き出すのを堪えながら読んでます笑笑こんな面白いの読んだことない笑笑これからも頑張ってください! (2023年1月31日 11時) (レス) id: 086589b12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中津結亜 | 作成日時:2022年12月30日 22時