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駿佑はそれを日々感じ、想像することが好きでもあるし、だからこそスピードを求めながらも丁寧に扱う、ということを何より大事にしていた。
そしてきちんと一緒に働いている周りの人への気遣いもできる人間なのである。
お昼休憩になり、食堂の窓際、端のほうでお弁当を広げる駿佑。
仲の良い同僚やらと休憩時間が被った時は楽しく会話をしながら一緒に食べるのだが今日は被らず、しゃーないなぁと思いながら一人「いただきます。」と手を合わせると、「道枝さん、お疲れ様です。先程はありがとうございました、重い荷物運んでくださって。」と視界の端からひょこっと現れ、控えめに声をかけてきたのは午前中にあの重い荷物を一人で運ぼうとしていた雪さん。
ちなみに雪は名前じゃなくて苗字で、小柄な体格で年齢は確か二十代後半から三十代前半だっただろうか。大きめな瞳にはメイクが綺麗に施されており、ふわふわと巻かれた髪は後ろで一本で束ねられている。
「いやいやとんでもないっす」と答えながらペコリと頭を下げると、雪は「お弁当、可愛いですね。お母さんですか？」と駿佑の手元に目をやり、ふと聞いてきた。
一瞬、心臓を軽く突かれたような感覚。
お母さん、という言葉に嫌じゃなくともグッ、と喉が詰まった。
「いや、うち母親居なくて、居ないというか、なんて言ったらええんやろ、これ同居人が作ってくれはったんです。同居してて、男ばっかなんすけど」
そうです、母が作ってくれて、なんて適当にごまかせばいいものの正直に言ってしまうものだから、雪も少々ハテナマークを浮かべながらも聞いてはいけないことを聞いてしまった、という表情をする。
おれ頭悪いなぁ、なんて駿佑は思いながらこの会話の流れで「じゃ」はねぇな、と思い、「雪さんお昼っすよね、良かったらどうぞ。」と前の空いてるスペースを見ながら手で合図すると、「じゃあ、失礼します。」と控えめに駿佑の斜め前に腰を落とす。
小さな手にはサンドイッチが握られていた。
雰囲気的に話変えるのもなんだか違う気がするし、雪は見た感じなにか話したとしてもそれを人に言いふらすような性格には見えないし、自分の過去について今更辛いとかもないんだよなぁ、なんて思った駿佑はゆっくりと語り出す。
「おれ、六人と一緒に暮らしてて。あ、おれ入れて七人なんすけど。」
雪はしっかりと駿佑の目を見ながら頷き、相槌を打ってくれる。
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ゆあ(プロフ) - yuyuさん» 初めまして。読んでくださってありがとうございます。そして嬉しいコメントありがとうございます(；；)とっても励みになります…面白いとのこと、何よりの褒め言葉です…これからも私なりに頑張らせて頂きますので引き続きよろしくお願い致します…(＞_＜) (2023年1月31日 14時) (
レス) @page20 id: cd3765bd37 (このIDを非表示/違反報告)
yuyu(プロフ) - お話の文章がうますぎてその光景がすぐ頭に浮かんできます。お話もとっても面白くて吹き出すのを堪えながら読んでます笑笑こんな面白いの読んだことない笑笑これからも頑張ってください！ (2023年1月31日 11時) (レス) id: 086589b12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中津結亜 | 作成日時：2022年12月30日 22時
