家族みたいなもん。2 (ページ5)

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アレルギー（翔）5 ページ5

「あ・・。エピペン・・、っ相葉ちゃん！！！エピペン！！！エピペンある！！！」

リーダーが床に散乱している医療器具らを見て今までにないくらいの大声で叫ぶ。

その中にあった一本の注射、エピペンこと、アナフィラキシーショックの症状を緩和してショック状態を防ぐ自己注射薬。

たまたまあるなんて奇跡。

みんなも「まじかよ」と一言。

誰が家に持ってきてくれたのだろう？なんて考える暇もなく。

「翔ちゃんごめんね！！服裂くよ！！」

翔ちゃんの血管を探して腕をペチペチしているにのと背中を叩く松潤を横に、はさみで翔ちゃんの下のスウェットを太もも辺りまでザクッと切り裂く。

「入れるね？」

手短にみんなにそう目配せすると、全員が強く頷く。

意識を集中させ、右太ももの前外側の筋肉にグッと差し込んだ。

翔ちゃん。きっと大丈夫。頑張るよ・・・！！

それから救急車が到着するまでできる処理はやって。

翔ちゃんも大分頑張ってくれて、呼吸を続けてくれてた。

到着した救急隊員に容態と処置の状況を簡単に説明して、自分たちが嵐ヶ丘病院で働く医者だということを伝え、その病院に搬送してほしい旨を伝える。

「おいら乗るね。」

救急車が出発する際、救急隊員の「どなたか一緒に乗っていきますか？」って問いにリーダーが一言そういって、乗り込んでいった。

松潤は自分が計画した料理だってメンタルやられちゃってるし。

にのと俺は中心となって色々処置を施して正直疲労が隠し切れない。

そんな俺たちを考慮して自分から乗ったんだと思う。

腫れた顔に狭窄音もとれることなく狂った呼吸をして、救急車でたくさんの管に繋がれ、酸素マスクをされ・・・

外までついていった俺らの目の前で、バタン、と救急車の扉が閉じられる。

聴きなれたピーポーピーポーという音が聞こえなくなるまでの少しの間、俺と松潤とにのは呆然と立ち尽くした。

「・・・俺らもいこっか。」

にのが沈黙を破り、長距離移動時以外乗らない、ほぼ乗り捨て状態の車へ近づく。

「・・いや、和？飲酒運転。」

「・・・・」

松潤の言葉に固まってしまったにのの肩にポンポン、と手を置き、松潤を見て「タクシー捕まえよ。」と声をかけた。

～智side～

翔くんの手をキュ、と握って、片方の手で布団の上から腹部を優しくポンポンと撫でる。

時刻は午後十時を回っていた。

病院に着いた翔くんは早々挿管をされて緊急処置へ。