PARACAGE 4th【ars】 (ページ7)

今日:20 hit、昨日:3 hit、合計:1,689,996 hit

112.止まる。ページ7

あっとゆー間に出来上がったカーテンを部屋に持って帰ろうとしたら、ニノくんが「サイズ合ってんのか不安だから」って一緒に来た。

「同じ家だから窓も一緒じゃないのかな？」
「だったら良いんだけど」

ニノくんが、カーテンレールにつけてくれる。
心配してたサイズもピッタリだった。
何より、ベッドカバーの色とカーテンの柄が凄く合ってる。

「ニノくん、ありがとう！こーゆーのを探してたー！」
「はいはい、良かった良かった」
「今度何かお礼をさせて下さい！」
「えー？じゃあ体で払ってもらおっかなー」
「えー？いつにしますかー？」

バカだー、とか笑い合いながらニノくんはドアの方へと歩いて行った。

と、思ったらピタっと立ち止まる。

「どうしたの？」
「......」
「ニノくん？」
「お前...」

彼が、何かを指差して振り返った。

心臓が、止まるかと思った。
ってゆーか、止まってくれ...とも思った。

ニノくんが指差してたのは、咲くん棚。
しかも、その蓋はさっきのままで開いてる。

写真立ての中の咲くんが、私達を見てる。

「あれ、何」
「あ...あの...」
「A、相葉さんのファンなの？」
「......」
「え？どっち？ここに来てから？ここに来る前から？」
「......」

閉めてなかった部屋のドアをニノくんが閉め、ベッドに腰掛けて隣をポンポン叩き私に座るよう促した。
私は彼の目を見れず、俯いたままベッドに座る。

「ねぇ、まさかストーカー系？」
「ちっ...！違います、それは絶対に違う！」
「そんなムキになるって事は本当にファンなのね」
「......」
「ここに相葉さんが住んでるなんて、知らずに引っ越して来た？」

何も言わずただ頷いた私に、ニノくんは「あー...だから初めて相葉さんと会った時にお前固まってたのか」と納得したように呟いた。

「そりゃビックリするわなー」
「...それはもう、心臓が口から飛び出るかって位...」
「ずっと隠しとくつもりだった？」
「うん...だって、絶対に嫌だと思うから。同じ家に自分のファンが住んでるなんて、仕事を忘れられないって言うか...」
「なるほどねぇ」

ニノくんは両手を後ろについて、天井を見上げてる。
つられて見上げて、木目を見詰める。

「ってゆーかさ」
「うん...」
「ファンなの？」
「え？どーゆーコト？」

天井を見てたニノくんが、私を見た。

「恋愛感情じゃ無くて？」

その言葉に無反応でいたつもりなんだけど

彼は呆れたように口を尖らせた。