PARACAGE 4th【ars】 (ページ26)

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131.薬箱。ページ26

スムージーを飲みながらワッフルを食べ終えて、お水を汲んで来て薬。

テラハウスの薬箱の中身は充実してる。
頭痛薬、風邪薬はもちろんマキロンまであるんだけど大人ばかりの家で誰が怪我するんだろう。
...と、思ってたらこないだ翔さんが慣れない料理をして指を切ってた。

薬を飲んで、フゥ...と一息ついてたら階段から誰か降りてくる足音。
ビクッとして振り返ると、ニノくんで思わずまたフゥ...と息を吐き出してしまった。

「おは...」

眠たそうに私の隣に座って、テーブルにほっぺたをペトっとつけて目を閉じてる。

「おはよ」
「カズ、新聞読む？」

「まだ目が開かない...」って応えたニノくんの前に新聞を置いて、潤くんが席を立った。

「さて、俺はもう行くわ。Aも早く用意始めろよ？」
「はい」
「二日酔いで遅刻とか、社会人失格だからな」
「はい」

厳しい。
潤くん、厳しい。
まぁ当然の事だけど。

頭は痛いけど仕事は休めないし。
社会人、辛いぜ...と思いながら私も席を立とうとしたらニノくんの目がパチッと開いた。

「お前、さっきオレの顔見てあからさまにホッとしたろ」
「えっ！？そんな事無いと思うけど...」
「いや、あるね。相葉さんじゃなかったから安心したんだろ」
「.....」
「まさかガッカリしたの？うわー、失礼ー」
「何も言ってないでしょ！」

ジトーっとした目で見られる。

「安心もしてないし、ガッカリもしてないけど...」
「けど、何よ」
「今はちょっと顔合わせるのしんどいなぁと思ってたから...」
「安心したんじゃん」
「でも顔が見たいってのもあって...」
「ガッカリしてんじゃん！」

ニノくんが私の二の腕を軽くポスっと叩いた。
女の子みたいな仕草。
この家は距離感おかしいだけじゃなくて、女子力高い男子も多過ぎる。

「A」

すっかりスーツ姿になった潤くんが、ダイニングを覗いて私を呼んだから「はい？」と首を傾げて応える。

「スムージー、まだ残ってるから雅紀が起きてきたら飲ませてやって」
「えっ...あ、はい...」
「じゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃいませ...」

ニノくんも「いってらー」って、変わらずテーブルにほっぺたつけたまんまお見送り。

「雅紀に飲ませろだって」
「うん...」
「アイツ起こしてこようか？」
「いっ...！いい！私、そろそろ用意しなきゃ！」

勢いよく立ち上がったら、椅子が後ろに倒れた。
ニノくんに「椅子壊さないで下さいねー」って言われる。