PARACAGE 2nd【ars】 (ページ1)

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36.プレート。ページ1

「まだ居た」
「あれ？Aちゃん、お風呂は？」

言われた通り、ダイニングで智くんを待ってるとキッチンから出て来た潤くんと雅紀くんに後ろから声を掛けられた。

「あ、何か智くんに待っててって言われて...」
「ふーん。何だろうね？」

雅紀くんがダイニングの入口に目をやる。

「じゃあ、俺が先に風呂行こうかな」

潤くんが言うから、別に急いでも無いし智くんを待ってなきゃいけないし「どうぞどうぞ」って返事する。

「潤ちゃん、俺も一緒に入って良い？」
「やだよ、狭いのに」

いやいや、だから潤くん気にするのそこじゃないよ。

「Aちゃん、お待たせー」

パタパタと裸足の足音を鳴らして、智くんが戻って来た。
手には、トンカチを持ってる。

「えっ！？おーちゃん、何する気！？」

雅紀くんが、私と潤くんの前に立ちはだかって私達を守るように両手を広げた。

「これこれ。Aちゃん用」

じゃーん！って智くんがハーフパンツのポケットから、木でできたプレートを出して見せる。
そこには『A入浴中』の文字とニゴっぽいにゃんこが、可愛く描かれてる。

「これを、お風呂の扉の前に掛けとけば安心」
「わー！凄い、智くん！」

「あの文字だけで想像力かきたてられちゃって、逆にえっちじゃない？」と言った雅紀くんが「はいはい、お盛んですね」って潤くんにまた言われてる。

「だから、これを引っ掛ける釘を打つの」

そう言ってトンカチを軽く振って、智くんがお風呂場の方へ行くから私もその後をついて行った。
何故か雅紀くんと潤くんも来たけど。

木製の廊下が、四人が歩いてギッギと音を立てる。

智くんがお風呂場の扉が建てつけてある柱に釘をトントンと打ち込んでるのを、後ろから三人で眺める。
釘を半分位残して、その出てる所にさっきのプレートが引っ掛けられた。

「よし」
「ありがとうございます！」

パチパチ拍手すると、雅紀くんも一緒に拍手。
潤くんは「まぁ、確かにいちいち確認しなくて良いから便利だわ」と腕を組んで呟いてる。

「じゃあ、Aちゃん。お風呂どうぞー」
「はい！」
「相葉ちゃん、覗いちゃ駄目だよ？」

心外！って表情をした雅紀くんが「覗く位なら、乱入するし！」ってまたトンデモナイ事を言ってる。
もう、どこまで嘘でどこまで本気なのか分かんない。

でも、それもやっぱり可愛いんですけど...とか思っちゃうのが、ファン心理。