PARACAGE 2nd【ars】 (ページ26)

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61.映画とコーヒー。ページ26

昼食を終えて、ニノくんはお仕事の続きの為に2階に上がった。
智くんも夕飯まで一眠りするーって、ニノくんを追うように2階へ。

潤くんはリビングに移動してまた映画を観るみたいだったから、何観るのかなー？って彼の持ってるBlu-rayのパッケージを覗き見。

「あぁっ！」
「何っ！？ビックリすんだろ！」
「あっごめんなさい！でも、それ気になってた映画だったからつい...」

公開された時に絶対観に行こうって思ってたのに、仕事が忙しい時期でなかなか映画館行けないまんま公開終了してしまったやつ！
Blu-ray出たのは知ってたけど、まだレンタル店にも行けてなかった。

私も観て良いかな...
いやでも、一人で観たいかも...
あー、どうしよう、観たい...！

「Aも観る？」

私が悩んでると少し呆れたように笑って、潤くんが言った。

「えっ！？良いの！？」
「観たい観たいって顔に書いてあるからなぁ」
「おっと...」

思わず頬をコシコシ擦ってしまう。

「じゃ、観せてやるからコーヒー淹れなさい」
「はいっ！」

敬礼のようなポーズをして返事をすると、「何かダサッ！」って潤くんが笑った。

潤くんはソファに座って私は床に座って、映画を観た。
コーヒーを飲みながら、画面に釘付け。

2時間後、「面白かったー！」って言った私に彼は「『面白い』の他には？」って訊いて来た。

「他...あ！伏線の回収が気持ち良かった！」
「お、やっぱり？俺もあれどーすんだ？って思ってたんだよなー」
「ホンット見事だった！」

映画の興奮を抑え切れず潤くんに感想を伝えてると、玄関から誰か帰って来た音。

雅紀くん...？
雅紀くんかな...。

妙に緊張して、小さく息を吐き出す。

「ただいまー」
「おかえり、翔さん」

リビングにヒョコッと顔を出したのは、翔さん。
相変わらず安心する笑顔。
吐き出した息をすぅっと吸い込む。

「翔さん、おかえりなさい！」
「ただいま、潤と映画観てたんですか？」
「はい！とっても面白かったから、翔さんも観てみて下さい」
「へぇ！」

翔さんが「潤、今度貸して」って言うと潤くんは「もう渡しとくわ」って今デッキから出したばかりのBlu-rayを手渡した。

「俺からもオススメ」
「潤のオススメにはハズレ無しだもんなぁ」

なんて会話を交わしてる二人。
何だかこの辺り、すごい王子様感が漂ってない？

頑張って妄想力働かせれば、二人の背景にお花が見える気がする。