４ ページ7
ここへ来るのももう３回目
しかも短いスパンで
彼女以外のフリーク達からももう顔を覚えられたんじゃないか
その証拠に、蛇の肌を持つ双子の少年と目が合うと、手を振られた
ほかの展示品はあまり見ず、まっすぐ彼女のところへ向かう
何やらゲーム機のようなもので遊んでいた
コンコンとガラスを叩くと、ゲーム機を置いてこちらへ寄ってきた
「やあ。足･･･本当に生えるんだね」
「まあねー」
にいっと笑って新しく生えた足を伸ばした
「ねえ、クロロって暇なの？何度もここに来て、しかも私とおしゃべりしてるなんて」
「おいおい、人を暇人扱いするなよな。ちゃんとこの先の予定はあるさ」
「ふーん。もしかして、オークションに行くの？」
･･･そう、オークション
･･･一般のやつらとは目的は違うが
彼女に教えたところで何の問題もないだろう
「･･･ああ、そうだよ。行ったことある？」
「ううん、無い。それどころか外に出たこともないよ。この部屋と、シャッターの向こうだけ。いうてあっちもトイレとお風呂があるだけだよ。開けてーって言わないと開かないし」
「そうなんだ･･･。外に出たいと思ったことはないの？」
「んー、無くはないんだけど、私はこの部屋から出たことがないから。外は怖い。私にとって世界ってここだけなんだ」
「君の世界は随分狭いね」
「それに、ここから出たら死ぬぞって言われたんだ」
「え、それじゃあ不死身じゃないじゃないか」
「ほんとだよね！でもね、もし出られるなら」
膝立ちをしてガラスに両手を当てて顔を俺に近づけてくるが、目線は俺の後ろを向いていた
振り向いて同じ方を見ると、ここの職員が通り過ぎていった
「ここに展示されてる皆を逃がして、職員全員ぶっ殺してやるんだ。あと、私のことを笑いに来るや奴も」
琥珀色の瞳が、あの時とは違った感じでグラグラと揺れていた
･･･殺意、か
しかし、
本人に自覚はないのだろうか
おれはガラス越しの手に、自分の手を重ねた
外の汚れなんて一度も触ったことのない清らかな手と
もう真っ黒に汚れてしまった俺の手
自分のこの手を嫌だと思ったことは一度もないが、今は少し彼女の手が羨ましいと思えた
「･･･できるの？君に」
彼女の目を見据え、少し挑発するように言葉を吐いた
なんと答えが返ってくるか
彼女はキョトンとした顔をして、バッとガラスから離れた
「ま、無理だよね！」
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←3
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るいの(プロフ) - ナギサさん» こんな下書きの小説にコメントありがとうございます！ダレン・シャン！！実はフリークショーというこの設定、そこからとってるんです：）小学生の時に全巻読んで、もうおもしろすぎて･･･一生忘れない本になりました＾＾ (2020年4月16日 15時) (
レス) id: 2178255f2e (このIDを非表示/違反報告)
ナギサ(プロフ) - 誤字ってました… (2020年4月16日 11時) (レス) id: 0736a4fadb (このIDを非表示/違反報告)
ナギサ(プロフ) - フリークショー、お好きなんですか！？もしそうならば、おすすめの小説がありますよ。結構古いですが、ダレン・シャン というものです。許可なく名前出ししてるので、いつからこのコメント消されそうですが……ぜひ、読んでみてください。感動できますよ！ (2020年4月16日 11時) (レス) id: 0736a4fadb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るいの | 作成日時：2020年4月15日 20時
