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真っ先に思い浮かんだ理由は前に1度あのA先生と話したのを思い出したから。俺が最後にお願いをして終わったこと。
ちゃんと守ってくれているんだろうか、A先生。
しかし、なんでジニヒョンはこんなに震えているんだろうか。俺、そこまで言ったっけ?もしかして無意識に地雷でも踏んじゃったかな。ヒッ、ヒッと鼻を啜る音と、涙で出にくくなった息を整えようとしている声が交互に出ているのが聞こえる。
もしかして俺やり過ぎたかもしれない、申し訳ないということでジニヒョンが付けられたあの痕にチュッとリップ音を立ててキスをすれば避けるように首を傾げた。残念、俺が抱き締めているから逃げられないよ。
「 テヒョ、ァ...やだ、やだっ 」
「 ねぇ、ジニヒョン 」
怒っていると思っているのかゆっくりと確かめるように振り向いたヒョンは、何、と眉を下げて言った。あぁ、俺が何聞くか察したようでこんなに怖がっちゃって...申し訳ないけど、ヒョン可愛い。
焦らすのも可哀想だから、早く聞かなきゃ。
「 これ、中学校の...ジニヒョンが中学生の頃の、担任の先生...の、だよね? 」
痕をなぞりながら聞けば、びくっと跳ねながら俺の方へ顔を向いたまま、俯くように頷いた。
あの中学のジニヒョンの担任、俺も見たことがあるけれどA先生とは全然大違いだった。太っていて不潔で、オッサンで何だかうるさくて正直気持ち悪くて。あんな人がジニヒョンの最初の人なんて、俺は本当に信じたくなかったほどだ。
くそ、あんな奴と再会してしまったなんて。
この長いスラリとした脚も、
この白く華奢な身体も、
この整った顔も、
この誘う特徴的な唇も
また彼奴がA先生から奪った?
顎を掴んで唇に噛み付く。この誘う唇を貪るように食い付いて綺麗にしてやって。
「 ッ..ふ... 」
ぐるりと身体を振り向かせ今度はちゃんと向かい合わせにさせて後頭部を掴み深く深く口付け交わす。泣いていたのか唾液からしょっぱい味がした。
最初は押し返そうとしたジニヒョンも、優しめに深くキスしたお陰で負けたのか俺の首に手を回して応えた。
*
「 先生は、大変ですね 」
目の前にいるテヒョンは優しく微笑みながら、教科書の問題のページを開いた。
たまたま会って俺の得意な教科を分かっていたからか分からない問題があるので放課後教えて下さい、と頼んできたから、図書室で二人きりだ。
テヒョンの表情は浮かなかったので俺も言い返してやった。
「 お前も大変なんだな 」
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作者名:Pさん | 作成日時:2019年4月18日 1時