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V side.
「ジニヒョン、首になんか痕がついてる」
丁度いたジニヒョンを後ろから抱き締めていたら、よく見ると首筋の方についていた。つんつん、と赤く染っていた一つ目の痕をつつけばぴくりと小さく跳ねて、ジニヒョンは俺がつついてるのを追うように指で探り、痕に辿り着いて触った。
「 ...あぁもう、なんで見えるところに... 」
「 あ、ここにもついてるよ 」
「 えっ、まだあんの!? 」
「 はは、ここにもあーるよっ 」
「ヤー!いっぱい付けすぎでしょ!」面白がりながらジニヒョンは笑うから自然と俺まで笑って遊ぶように探す。
そうやっているけれど、笑い事じゃない。心の中でそう呟いた。
ジロジロと詳しく見れば新しく付いたのと、消えかけているのがはっきりと分かりやすくなっている。新しく付いていたのは、俺が勝手に敵対視しているあのA先生が付けた痕だ。正直に言えば今日2人が生徒指導室に入ったのを見たからそうなんだろうと感じた。久々にやったんだろうな...しばらく2人が放課後一緒にいたのを見かけなかったから。
...だけど、古くなっている痕は一体誰のなんだろうか。するりと撫で上げると擽ったそうに緩く震えるジニヒョンを見ながら頭の中で誰かと思い浮かべる。ジョングガ?ジミンア?...ユンギヒョンとか、ホソギヒョンも浮かぶけれど最近忙しいらしいし、もしかしたらまた新しく誘った人に付けられたのかもしれない。
「 ...先生以外に、ヒョンやグガ意外に、誰かに付けられたでしょ 」
「 えっ、あぁ...よく分かるねぇテヒョンア 」
「 ヒョンのことはよく分かります。ねえ、誰に付けられたんですか 」
威圧的に答えれば隠すように黙り小さく縮こまる様に俯く。
「黙ると余計怪しいようになるじゃないですか、いつも人を弄ぶジニヒョンのくせに。...もしかして、あの学校以外の人になんか襲われたりしたんですか?」
「..あ...」やっとのように出した声を俺は聞き逃さがった。図星だ。
「知らない人を誘ってまで飽きてきたんですか?」耳元で囁けば小さく首を振られ、違うとでも言いたいのだろうか。俺が意地悪に聞くからか少しずつ震え上がり、ジニヒョンと呼べば何やら謝る声が聞こえた。
「 ごめ...なさ、せんせ......ちがう、の... 」
声まで震えていると思えば、抱き締めていた俺の手の指にポタリと雫が落ちてきた。
先生?A先生のことだと焦るように考えたら、A先生以外に真っ先に1人浮かんだ。
過去にジニヒョンを襲った先生だ。
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作者名:Pさん | 作成日時:2019年4月18日 1時