僕、悪い子なんです (ページ8)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:22,811 hit

7. ページ8

あれから避けられている気がする。
すれ違う度に焦るように逸らす視線。
来なくなった生徒指導室。
放課後、俺は1人廊下を歩きながら考えていた。

俺は依存するほど彼を愛していたので、少し数日間経っただけでも何だか物足りなく、激しい欲求不満にかかってしまって。
いけない、このままじゃ生徒に当ってしまいそうだから抑えないといけない。...としても、いつか爆発してしまいそうだ。

眉を顰めむしゃくしゃと頭を掻き回して廊下を曲がろうとしたら、見慣れた生徒が急いでいるのか早歩きで俺の前に現れた。
...ソクジンだ。
俺はやっと見つけたように彼の手を強く掴んだ。
当然、彼は驚いた顔で眉間に皺を寄せている。

｢...すいません......｣
｢本当だよ、ここまで俺を依存させて、急にいなくなるだなんて｣

怒りの言葉をぶつけながら久しぶりに感じる生徒指導室へと連れていく。
着けばすぐドアを閉め、俺より細い両手首を掴み強引に壁に押し付ける。
顔を近づければ怖がって視線を逸らそうとしたが片手を解放させる代わりに顎を掴み無理矢理視線を合わせる。
...こんなことをしているのが見つかったら、とんでもない事になりそうだと俺は鼻で笑った。

｢...用件は、なんですか｣
｢欲求不満なんだよ｣

前までは笑って喜んでいたのに、何か隠すように眉を下げた。

いつもは優しく唇を重ねているが、今日は食べるように彼の唇、口内を確かめるようにして。
慣れていないのかソクジンは息を荒くしてキスを受けている。キスしながらボタンを外してカーディガンと共に肩から腕まで、胸まで脱がしてソクジンの白い肌を晒す。

舌入れるなどの経験はあるだろうが、完全に主導権を握られて口内を侵されるのは初めてだろう。長いキスから解放させてやれば、涙を流し目をとろりと閉じて林檎色に染った頬に、拭えない垂れたヨダレ。
キスだけで乱れた姿は、なんとも下品さがなくて、興奮材料となった。

「...ッせんせ、狼みたい...」

ソクジンは苦笑いして、涙目で俺を見てきた。

普段の俺だったらすぐやめるけれど、今の俺は確かに獲物を見つけた大きな狼だ。大きく口を開いて無防備な首に噛み付いたり、吸い付いたり。ソクジンは申し訳無さそうに俺の首に手を回した。