♪ワルシャワの秋 Sho.S.♪2.5 修正版

3次予選　結果発表 ページ25

16日午前すべての演奏が終了後、2時間後にはファイナル進出者の発表がある。


その前に、毎朝無料配布される、前日の演奏会の模様を掲載した新聞「Chopin Express」に目を通す。

やはり注目はロシア勢コンテスタント、そして昨日の演奏会で鳴り止まないくらいの拍手を受けた、オーストリア人コンテスタント、さらに唯一の日本人コンテスタントのAさんである。

それは、周辺の聴衆者に話を聞いても、やはりオーストリア人のコンテスタント、そして若干18歳のロシア人コンテスタントの注目度の高さが伺えた。


スーツ姿にピンヒールで、そして凛とした姿で演奏する写真や本文に何度も食い入るように目を通す。


結果発表まで3〜40分あったが、もうすでにたくさんの人(コンテスタントとその関係者、メディア、聴衆者)が集結していた。


もちろん、その中にはAさんの姿もあった。

リラックスしてコンテスタントと談笑したり、聴衆者からのサインや写真に気さくに応じている姿が、印象的であった。

ある意味、ホッとするというか・・・・。



いよいよ結果発表の時になり、10名のファイナル進出者が発表された。


もちろん、Aさんもファイナル進出者に選ばれた。

技術は当然のこと、やはりどの曲をとっても安定感のある演奏、そして隅々まで丁寧に、曲の真意までよく読み、演奏に反映できていることが評価されたという。


日本人のコンテスタントは、自分が残れなくてもまるで「彼女は日本代表！」といわんばかりに、心から彼女を祝福し、そしてワルシャワに残っているコンテスタント総出で、彼女のファイナルを見届けたい、応援したい！という意気込みで彼女を取り囲んでいた。


コンクールは周りがライバルで、他人の幸せなど喜べるものではないと思っていたが、こんな姿をみているとこちらまで、心にジーンとくるし、幸せを分けてもらっているようで、微笑ましく思えた。


そのように、周りがついていくのは、言うまでもなくAさんのお人柄も一因していると思う。


この後、そんなAさんの魅力に迫るべく、単独独占取材(再会)を行う。

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