桃色の指先と翡翠の憂鬱 37

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佐｢お風呂入りたい｣

阿｢わかった。お風呂の用意してくるから｣

佐｢ダンス部の振り戻すって？｣

阿｢その話はお風呂の準備してからね｣

佐｢うん｣


佐久間の部屋のお風呂を洗ってお湯を溜めて、佐久間の普段着を用意した。

主役だけど、胸に嫁がいないとテンション上がらないって言うし、またサプライズだから普段着で良いだろ。


阿｢佐久間もう少しで入れるよ｣

佐｢あべちゃんありがとう｣

ベッドルームで新橋色ちゃんを抱えて佐久間は座ってた。

阿｢それ大切？｣

佐｢うん。のえちゃんにもらったあべちゃんだよ。完璧でしょ？｣

阿｢そうだね｣

佐｢振り戻すってなんで？｣

阿｢川島先生がダンス部に来たからね｣

佐｢のえちゃんか｣

阿｢昨日、連覇した時の振りを2人で踊ったでしょ？｣

佐｢うん。あの振り疲れたよ｣

阿｢みんなもわかったんだよ。疲れない振り付けだと勝てないって｣

佐｢そっか。のえちゃんが最後に教えてくれたんだね｣

阿｢うん。気付いたみんなを褒めてあげないとね｣

佐｢任せて。褒めるのは俺の得意なことだから｣

阿｢佐久間、俺の良いところ川島先生から聞いたよ｣

佐｢のえちゃんなんでも話しちゃうな｣

阿｢ありがとう。俺は佐久間と出会えて幸せだよ｣

佐｢うん。俺もあべちゃんと出会えて幸せ｣


佐久間の大きな瞳が揺れて、唇に口付けた…。

キスしてほしい時の顔、この顔は可愛いよりは綺麗だな。



阿｢そろそろお風呂出来てるから入っておいで｣

佐｢わかった。ねぇ、のえちゃんどこ？｣

阿｢仕事してると思う。佐久間の部屋に入って行ったから｣

佐｢わかった。のえちゃんにお礼伝えてくるよ｣

阿｢うん｣


ゲームの仕掛けを佐久間がお風呂入ってる間に終わらせよう。

パソコン部屋に入ると、佐久間の悲鳴にも似た声が聞こえてきた。


阿｢佐久間なに？｣

慌てて飛び出すと、佐久間がダイニングで興奮してる。

佐｢のえちゃん！｣

川｢佐久間、静かに｣

佐｢き、金髪！｣

川｢どう？｣

佐｢ハウル｣

川｢さすが佐久間。そのイメージだよ｣

佐｢のえちゃん、すげぇ、かっこいい｣

川｢ありがとう。佐久間、お風呂は？｣

佐｢忘れてた。行ってくる｣


川島先生の金髪は、川島先生が大好きなアニメ映画のキャラか。

DVDを何度も見るくらい好きだから、金髪にしたのも腑に落ちた。

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