桃色の指先と翡翠の憂鬱 37

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佐久間は花火を見上げて、楽しんでる。


佐｢さなぴー、あれすごいね｣

真｢ハートになってる｣

川｢色々な形があるんですね｣

阿｢如恵留、打ち上げ花火見たことないの？｣

川｢夢の国に行った時くらいですね。手持ち花火も数えるほどしか｣

佐｢海に行った時にみんなでやって、あれ楽しかったなぁ｣

阿｢線香花火でお風呂の順番決めたよね｣

佐｢そうそう｣

深｢おいっ。俺は知らねーぞっ｣

照｢俺たち帰ったじゃん｣

真｢俺が猫たちのお世話のバイトの時？｣

佐｢にゃす。さなぴーも不在だったね｣

阿｢またみんなでやる？｣

深｢やろやろ、今夜やろうぜっ｣

照｢もう、ふっかはすぐやろうとする。今夜はここから家に帰るまで時間かかるから無理｣

川｢深澤さん、帰宅は遅くなります｣

佐｢何時？｣

川｢家に着くのは22時過ぎるよ｣

真｢遅いですね｣

阿｢交通規制かかる？｣

照｢駐車場は外なんだけど、渋滞するからね｣

佐｢ひかるの手帳で早く行けないの？｣

照｢さっくん、それは無理なんだよ｣

深｢ひかるが怒られるっ｣

真｢大変なんですね｣

佐｢まぁ、車の中でさなぴーとアニソン歌うから良いけどね｣

川｢次はコンテストだって｣

阿｢面白そう｣



最初より周りが騒がしくてアナウンスの声が聞こえにくい。

1つずつ、趣向が凝らされた花火が打ち上がった。

佐｢あべちゃん、のえちゃん｣

阿｢ん？｣

川｢なぁに？｣

佐｢また来ようね｣

阿｢うん｣

川｢佐久間、約束ね｣

佐｢彼女出来なかったら、さなぴーもね｣

真｢さっくん、ありがとう｣

深｢さっくんは祈るように約束するんだなっ｣

照｢可愛いでしょ、ふっかにもあの可愛さがあればなー。いてっ｣

深｢ひかる、ビール持ってこい｣

照｢はいはい｣


ふっかも十分可愛いけどな。



川島先生がニューヨークに行った5日間、ふっかの洋館にお邪魔した。

ひーくんの帰宅に顔が明るくなって、どんなに遅くなっても、泊まりの連絡がなければ起きて待ってるし。

ふっかの仕事中は、ひーくんは近くで筋トレしたり。

俺たちよりずっと甘い生活だった。

佐久間と2人だったら、川島先生と2人だったら、こうだったのかなと考えが頭をよぎったけど、すぐにやめた。

俺たちは3人で1つ。

他人を羨むのは俺たちらしくない。

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