桃色の指先と翡翠の憂鬱 37

【花火大会編】 ページ27

【花火大会編】


2人でデートした時に聞いた佐久間の希望の花火大会。

川島先生に話したらいくつかピックアップしてくれた。

夏休みの俺の予定と、佐久間の予定、川島先生の予定と照らし合わせて行けそうなのが3つ。

1つは家からも近いけど、人手も多くて、もう2つは少し遠い。

リビングでスマホを見ながら、3人で相談中。



佐｢んー。迷うね｣

川｢僕はどこでもいいよ｣

阿｢佐久間、浴衣着るなら近い方が良いんじゃない？｣

佐｢そうなんだけどねぇ｣

川｢佐久間、最近身バレするからね｣

阿｢そっか。それが嫌なの？｣

佐｢んーん。ふっかたち誘いたいから｣

真｢さっくん、3人でデートじゃないの？｣

佐｢そうなんだけど、多い方が楽しいじゃん。さなぴーも来てよ｣

真｢いいの？｣

川｢どうぞ｣

阿｢俺は佐久間の希望で良いよ｣

佐｢決まり。待ってね、ひかるに電話してくる｣

阿｢ひーくん仕事中じゃないの？｣

佐｢あべちゃん、俺の電話はひかるには緊急の用件なんだよ。会議中じゃなきゃ出てくれる｣

川｢長々とコールしないようにね｣

佐｢うん。ワン切りして折り返してもらうよ｣

佐久間はそう言うと、リビングから出て行った。

真｢良いんですか？｣

阿｢どっちが？ひーくんへの電話？花火大会？｣

真｢花火大会です｣

川｢さなぴーは家族なんだから遠慮はいらないよ。僕たちのデートが嫌なら勧めないけど｣

真｢行きます｣

阿｢さなぴー、浴衣持ってる？｣

川｢4人分新調しましょう｣

阿｢また如恵留はすぐ買うことに決めちゃうんだから｣





佐｢近い方なら行けるって。俺の警護してくれるよ｣

佐久間が笑顔でスキップしながら戻ってきた。

阿｢佐久間、俺たちよりひーくんに会えるのが嬉しいんだろ｣

佐｢にゃは。どっちもだよ｣

川｢佐久間、浴衣の色の希望はある？｣

佐｢俺、実家の浴衣でいいよ。あべちゃんとデートした浴衣だから｣

真｢俺も高校の時に着たやつあります｣

阿｢俺はかなり古いから買おうかな｣

川｢僕も新調します、阿部先生は僕が見立てても良いですか？｣

阿｢うん。でも、浴衣代は請求してね｣

川｢はい｣

佐｢そう言って請求しないのがのえちゃん｣

真｢俺も色々立て替えてもらってるけど、全然請求来ないよ｣

阿｢如恵留、買ったら領収書見せて｣


川島先生は微笑んで誤魔化した。

また、買ってもらうパターンだこれ。

いつまでも俺たちの魔法使いでいたいんだよね。

・→←作者より

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す