桃色の指先と翡翠の憂鬱 30

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照｢朝ご飯いる？｣

阿｢食べてきた。ふっかは？｣

照｢上の部屋で寝てる。俺は朝ご飯食べながら、ふっかの仕事を手伝う｣

阿｢俺は短剣仕上げちゃうね｣

照｢あー。なんか昨日ふっかが少しやってたよ｣

阿｢ほんとに？｣

食器棚の下にある棚から箱を取り出した。

俺の作成途中の短剣は前と変わってない。

箱ごと仕事部屋に運んで机に置いた。

箱をひっくり返して全て机に出すと、音にひーくんが肩をビクッとさせて驚いた。

照｢もう…リョウその雑さなんとかしろ｣

阿｢出すならこれが1番効率良いから｣

照｢よく川島先生が怒らないよな｣

阿｢眉間にシワが寄るけどね｣


短剣の造形はもう少しだ。コスプレボードをグルーガンで付けていく。

照｢それ俺に向けたら蹴るぞ｣

阿｢なんで、ただの接着剤じゃん｣

照｢銃の形したものは、全て蹴り飛ばすって習った｣

阿｢水鉄砲も？｣

照｢水鉄砲の中に硫酸入ってたら？｣

阿｢その前に水鉄砲が溶けるよ…｣

照｢お前つまんない｣

阿｢佐久間じゃなくてごめんね｣

ひーくんは、プロテインを飲みながらモニターを見てる。


照｢さっくんは？｣

阿｢それ最初に聞けばいいのに｣

照｢それだと俺がさっくん大好きみたいだろ…｣

阿｢事実だし。ひーくんの佐久間への愛を俺は喜んでるけどね。で、佐久間は真田くんとデート｣

照｢…｣

阿｢聖地巡礼するって｣

照｢どこ行くって？｣

阿｢知らない｣

照｢まぁ、さなぴーはさっくんの親友だからな｣

阿｢大学で保護者って呼ばれてるらしいよ｣

照｢…｣

阿｢俺の車で出かけていったよ。カメラで追跡したら？｣

照｢私用で俺は使わない｣



深｢はー。まじ眠いっ｣

阿｢ふっかおはよう｣

深｢リョウ来てたか。おはよっ｣

ふっかが寝癖にほぼ目が空いてない顔で、仕事部屋に入ってきた。

深｢ひかるっ、お前なんで監視モニター変えてんのっ？｣

照｢変えてない｣

深｢いやっ、その前、交通カメラにしてなかったかっ？｣

照｢そんなことしてない！｣

深｢ったく、お前…｣

阿｢佐久間が真田くんとデートで俺の車探したんだよねー？｣

照｢リョウうるさい｣

深｢さっくんならアキバの映画館だよっ｣

阿｢ふっかなんで知ってるの？｣

深｢あ？だって、さっくんから聞いたぞっ｣

照｢映画ならいいか…｣

映画ならって、何がダメなのか聞きたかったけどやめた。

ひーくんを怒らせたら怖いし、佐久間に怒られるのは俺だ。

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