桃色の指先と翡翠の憂鬱 30

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佐久間は結婚式に会う家族とSnow Manにもお菓子のお土産を買った。

川島先生は食器の他にダンス部用にお菓子も。

それと2冊、読みやすく翻訳された本を買った。

阿｢魔法の国に寄付するの？｣

川｢はい。最初の翻訳は名著なのですが、子どもには難しくて｣

佐｢俺も、のえちゃんに教えてもらった翻訳で読めたよ｣

阿｢最初に翻訳されたのがかなり前だからね｣


俺はお母さんと弟が来てくれる予定だから、お菓子買っておこう。

お母さんが勧めてくれた大切な本。

俺が王子さまに出会えたのは、必然だったのかな。

隣でにこにことお菓子を選んでる佐久間を眺める。


佐｢あべちゃんなに？｣

阿｢王子さま、これ買いますか？｣

佐｢うん。これは3人で食べよ｣

阿｢佐久間はいつも3人だね｣

佐｢あべちゃん、2人が良かった？｣

阿｢ううん。佐久間のそういうとこ俺は好きだよ｣

佐｢にゃは。告白されちゃった｣

佐久間は楽しいことや面白いことを周りと共有することが好きだ。

俺でも川島先生でも真田くんでも変わらなくて、Snow Manのみんなとも分け隔てなく付き合えてる。

それでも、俺を見つめる回数が多いのは無意識なのかもな。

阿｢佐久間、これも買おうか｣

佐｢あべちゃん、明日デートして来ていい？｣

阿｢川島先生から聞いたよ。車使っていいからね｣

佐｢ありがとう。さなぴーとね、聖地巡礼してくる｣

阿｢暑さに気をつけてね｣

佐｢うん。気をつける｣

阿｢それって真田くんから誘われたの？｣

佐｢うん。誕生日前の日曜日開けてって｣

阿｢そうなんだ｣


結婚式前の日曜日、短剣の仕上げのためにふっかの家に行きたいと思ってたけど、佐久間がいたら行けないって悩んでた。

佐久間のためだけど、佐久間を邪魔に思いたくない。


川｢阿部先生、これ今年だけみたいですよ｣

阿｢どれ？｣

佐｢でた。あべちゃんの好きな期間限定｣

川｢買いますね｣

阿｢うん。如恵留、そういや引き出物って？｣

佐｢あべちゃん…のえちゃんがもう決めてるよ｣

川｢手配済みです。阿部先生は衣装さえ着てくだされば｣

阿｢ありがとう｣

佐｢衣装忘れそう｣

川｢前日に車に乗せておきます｣


結婚式の準備、俺は短剣しか作ってないような。

佐久間はなにか準備しているのかな。

誕生日だから、してないか。

佐久間は楽しんで盛り上げるだけで、十分だし。

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