桃色の指先と翡翠の憂鬱 26

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阿｢ごめん、めめ。俺は頭の処理が追いつかない｣

川｢どんな商品やサービスですか？｣

目｢企業のイメージ広告です。なので、1年間の契約期間で、ポスターとかヴィジュアルは俺だけっす｣

阿｢良かった。佐久間のポスターが街中にあったら歩けないよ…｣

目｢ミュージカル調で、さっくんには女性役をやってもらえれば｣

川｢佐久間が女装をするってことですか？｣

目｢はい。高いジャンプを求められてるので、身体能力の高いさっくんに白羽の矢が刺さりました｣

阿｢佐久間が女装…。めめ、白羽の矢は立つから｣

川｢阿部先生、佐久間もう女装はしないって話してましたよね？｣

阿｢うん。でも、あれはコスプレの時でしょ｣

佐｢のえちゃん、俺はいいよー｣

メイク室から佐久間の声がする。

目｢やった。進めていいっすか｣

川｢一晩だけ待って貰えますか？｣

目｢全然いいっすよ。撮影は夏の予定ですし、来年から放送予定なんで｣

川島先生は女装にひっかかってる。

阿｢俺は良いと思うけどな｣

目｢女装じゃなくて、さっくんそのままって話もあったんすけど、ミュージカルが男女の話なんで｣

川島先生が考え込んでる。



康｢お待たせ｣

阿｢こーじ、おはよう｣

康｢リョウさん、川島先生おはよう。さっくん、今日はよろしくー｣

目｢こーじ、さっくんの仕事の話してたっす｣

康｢川島先生、さっくんがぴったりなんよ｣

川島先生の表情で、こーじも難色を示していることに気づいたか。

めめと佐久間の身長差なら、絵的にもぴったりなのはわかる。


佐｢できたー｣

佐久間がメイクをして、真っ白な衣装を身に纏ってる。

まんま天使だ。

佐｢あべちゃんどう？｣

阿｢佐久間、綺麗だよ｣

川｢天使ですね｣

康｢んじゃ、さっくん行こうか｣

佐久間とこーじと川島先生が階段を降りていった。



目｢リョウさん見ないの？｣

阿｢俺は見るの禁止なの｣

ラ｢どうしてですか？｣

阿｢2人は見てきたら？わかると思うよ｣

めめとラウも下に降りて行った。


俺はソファに1人取り残された。

あの失恋の歌が大音量で流れてる。

俺は映像化したものを楽しみにしよう。

佐久間の苦しそうな表情は演技でも見たくない…。

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