桃色の指先と翡翠の憂鬱 21

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川父｢それに、あのパンフレット。あの考え方はアメリカでも求められている。アメリカは自由の国なんかじゃない｣

川父｢自由なのは白人だけ。差別と偏見は未だに根強く残ってる｣

川父｢如恵留、ニュースで見たか？セクシャルマイノリティの9歳の男の子がいじめを苦に自分で命を絶ったんだぞ…｣

川父｢黒人だったのもあるが…｣

川｢…｣

阿｢川島先生知ってた？｣

川｢ニュースは見ました｣



川父｢ここまで来れば拾えるだろう｣

阿｢お父さん、良いお年を｣

川父｢I wish you have wonderful holidays｣

川島先生のお父さんは、俺に握手を求めて、握手をする。

川島先生は嫌がってたけど、しぶしぶ握手をした。

握手する文化…。川島先生のお父さんは本当にアメリカに染まったんだな。

川島先生のお父さんに手を振って別れた。



駅まで2人で歩くと、川島先生が右手で俺の手を握った。

川｢しばらく手の消毒をさせてください…｣

阿｢川島先生、子どもっぽい｣

川｢…｣

阿｢可愛いから許す｣

川｢阿部先生の目に父にはどう見えましたか？｣

阿｢想像と全然違ってたよ。もっと厳しい人かと｣

川｢阿部先生、それもあの人の策略です｣

阿｢そうなの？｣

川｢でも、まぁ、丸くなったようですね…｣

阿｢川島先生の考え方にも共感してたね。差別に対しての怒りが感じられたよ｣

川｢父は、昔から慈善活動に熱心でした｣

阿｢なるほど。アメリカで成功したのは、そういう部分も合ってたんだ｣

川｢それは違います。日本人らしさを上手く使ったんですよ｣

阿｢どういうこと？｣

川｢父は僕以上に筆まめです｣

阿｢そうなんだ。川島先生も影響受けたんだね｣

川｢プレゼントもお中元やお歳暮も、あの人は自分に返ってくるとばら撒くんです｣

阿｢へぇ。でも、それは良い事じゃない？｣

川｢腹黒いだけですよ…｣

阿｢そうかなぁ。なんか、川島先生の温かい部分をあえて見せる人だとは思うけど｣

川｢隠さないからタチが悪い…｣



阿｢今夜はクリスマス会だから、今日のことはまた別の時に考えようよ｣

川｢はい。ご馳走様作りますね｣

阿｢早く帰れるからいっぱい作れるね｣

川｢真田さん呼んでますけど…誰か呼びますか？｣

阿｢来れるかSnow ManのSNSで聞いてみるね｣

川｢全員来ますかね？｣

阿｢舘様は無理だよ｣


舘様のレストランは今夜は満席なんだろうな。

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