桃色の指先と翡翠の憂鬱 12

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1人だけ意見が割れる生徒がいたけど、進路会議は15時過ぎに終わった。

担任がもう一度面談をすることに決まり、結論は持ち越し。

川島先生と職員室に戻って、帰り支度をする。

廊下を歩きながら佐久間に電話をかける。

佐｢あべちゃん来れる？｣

阿｢今から向かいます｣

佐｢あべちゃん、敬語｣

阿｢今、学校なので、ごめんなさい｣

佐｢りょーかい！待ってるね｣



川島先生の車に乗ろうとすると助手席に紙袋。

川｢手土産を届けさせました｣

阿｢川島先生の気遣いすごいや｣

川｢これは僕の仕事です｣

阿｢ありがとう｣

川｢阿部先生、大丈夫です。僕が支えます｣

阿｢川島先生、俺も支えるからね｣

川｢はい｣



何度も来ている佐久間の家。中に入るのは初めてだ。

川島先生がインターフォンを押して待つ。

出迎えてくれたのは、佐久間。

可愛い…。

佐｢あべちゃん、のえちゃんあがって｣


綺麗に片付けられたリビングに案内された。

川｢突然のご訪問申し訳ございません｣

阿｢お忙しい中お時間いただきありがとうございます｣

2人で頭を下げた。


佐母｢聞いてもいいですか？｣

川阿｢はい｣

佐母｢どちらが大介の恋人ですか？｣

阿｢俺です｣

佐母｢阿部先生だったんですね…｣

佐｢お母さん、のえちゃんだと思ったの？｣

佐母｢毎週泊まりに行くから、わからないわよ｣

佐｢のえちゃんも俺の嫁だけどねー｣

川｢佐久間、ややこしくなるから…｣


佐父｢2人とも座ってください｣

佐久間のお父さん。佐久間の色の白さはお父さん譲りか。

佐久間のお父さんはスーツだった。着替えてくれたのかな。

俺たちより小柄。全身から優しそうな雰囲気が漂っていた。


阿｢ご挨拶が遅れました。佐久間の担任の阿部亮平です｣

川｢ダンス部顧問の川島如恵留です｣

阿川｢失礼します｣

案内されたソファに座った。

川島先生が手土産をお母さんに渡している。


佐久間はにこにこと嬉しそうにしてるけど、お前余裕ありすぎ…。

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