番外編【魔法使いの秘密】 ページ13
番外編 【魔法使いの秘密】Teacher K side
僕は子どもの頃から人の心が読める子だった。
オカルトでもスピリチュアルでもなく、目線、目の動き、呼吸、声の高低、声の調子、癖の変化。服装や仕草も。
読心術。それが子どもの頃から、当たり前にみんなが出来ると思っていた。
ただ、僕は使い方を間違えた。
父親が仕事で悩む時に、悩んでいる理由を伝えたり、母親には父親よりも好きな人が心にいることを尋ねて、怒られたりした。
妹が産まれてからは、妹が泣く理由を両親に伝えて、驚かれもした。驚かれると同時に、だんだんと両親が僕に恐怖を抱くのが読めた。
学校の先生には、先生がイライラして生徒に当たり散らす理由が、昨夜の夫婦喧嘩のせいだと指摘した。母親が呼び出され、貴方のせいだと責められた。
友達に、お前と話すと怖いと言われ、僕はやっと、僕以外の人には出来ないことだと理解した。
気づいた時にはもう、遅かった。
朝晩の挨拶のキスは、妹だけ。
オランダの血を引く母親は同じくオランダの血が出たそっくりの僕を見ようとしなくなった。
僕は何度か海外留学に行かされて、小学生の頃から、家にいることを恐れられた。
両親は先祖代々受け継いだ、大きな和風建築の家を捨て、今のマンションを建て引っ越した。
それは僕を隔離するため。
僕は食事こそ両親と妹の住む部屋だったが、他は自分の部屋で過ごした。そうしろと、両親の心が読めたから。
毎晩、妹と寝ていた習慣も奪われた。
さらに父親の仕事が成功すると、僕にマンションと父親の会社の株を与え、両親は大好きな妹を連れて海外に移住した。
僕が高校に進学するタイミングで。
僕は高校生から一人暮らしになった。
人に気を遣わなくて良い生活は楽だし、何より母親が、僕が近寄ることを恐れて禁止した料理を楽しめるようになった。
料理は楽しい。塩が多ければしょっぱいし、少ないと味気ない。ギリギリの分量で正解を導くこと。自分の思いのままに動かせるパズル。
自分が食べたいものを食べられる自由を手に入れた。
人と関わるのが苦手な僕には料理が友達だった。
そして、小学生の頃に、放課後は家にいないよう習わされたダンス。
バレエは子どもの頃からやらされていたから、バレエが根底にある僕は、すぐに上達した。
高校生活は料理とダンスに明け暮れた。
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雲外桃天(プロフ) - ryolinzuさんコメントありがとうございます。何度でもどうぞです。感想聞けるのが嬉しいです。甘々7割を目指してます。ゆり組さんあまり書けなかった。赤さん料理してるので。そのうちにk先生の家に料理しに来るはずです。またフラグ立てた...。いつも感謝です。 (2020年7月9日 15時) (
レス) id: f51f04739e (このIDを非表示/違反報告)
ryolinzu(プロフ) - しまった。先走ってしまった。まだまだ2人の甘々ターンですよね？でも、ゆり組リアルも楽しみなんで、どうかお願いします！ (2020年7月9日 14時) (レス) id: cd12b45917 (このIDを非表示/違反報告)
ryolinzu(プロフ) - ゲーム内とリアルが交差して、どんどん交じり合っていく感じ。今回も素敵だったなぁ。読む度に、ますますハマっていってしまいます。コメント書きすぎかなと思っていますが、書かずにはいられず・・・。すみません。次回はゆり組なんですね。楽しみです！ (2020年7月9日 14時) (レス) id: cd12b45917 (このIDを非表示/違反報告)
雲外桃天(プロフ) - ryolinzuさん» ryolinzuさんいつもコメントありがとうございます。最初から？！長かったですよね…。ありがとうございます。彼には今後もカササギの立場なのでご安心ください。いつも感想楽しみにしてます。 (2020年7月8日 16時) (レス) id: f51f04739e (このIDを非表示/違反報告)
ryolinzu(プロフ) - 魔法使いの秘密。読後、シリーズ最初から読み返して「これって、こういう事だったのか」と思いながら、読ませていただきました。k先生に対する見方が少し変わった気がします。書いてくださって、ありがとうございます。キャラの掘り下げかたに脱帽。お疲れさまでした。 (2020年7月8日 12時) (レス) id: cd12b45917 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雲外桃天 | 作成日時：2020年7月5日 22時
