桃色の指先と翡翠の憂鬱 6

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川島先生と部屋に戻る。

ん？この部屋広い…。

ツインの洋室だと思ってたら、左手に8畳の和室。

その先にあるのは、ライトアップされた露天風呂…。

さっき慌てて入口に荷物を置いたから見てなかったんだ。


阿「川島先生、魔法使いました？」

川「いえ、いつも教師はここらしいです」

もしかしてこの8畳は最終日の打ち上げ用？

阿「C組の先生の部屋もですか？」

川「だと思います」


阿「俺、入浴の見守り行ってきます」

川「僕はホテル側との打ち合わせとC組の先生のところ行きますね」

阿「お願いします」


夜遅いから一般客と一緒。

隅に座りながら、そういえば部屋に露天風呂あったな。

入りたいけど、ガラス張りで部屋から見えるんだよな。

どうしようか…。

早くに降りた生徒は先に入浴してるし、うちの生徒がいないのにずっと更衣室に座ってたら俺は変態に思われる…。

部屋に戻ろう。

………。
カードキーがない。佐久間の部屋は、手元に資料がないからわからない。

佐久間の部屋を探すことにした。

廊下にうちの生徒がいるからこの辺り。

阿「佐久間のグループの部屋どこかわかる？」

生「えっと、3つ先の右側」

阿「ありがとう」



佐久間のグループの部屋をノックする。

佐「はーい」

佐久間の声だ。

ドアが開くと、俺のジャケットを着た佐久間…。

阿「佐久間、ジャケット返して」

佐「やだ」

他の生徒もいるからだめだろと小声で伝える。

佐「これ俺のにする」

阿「…」

阿「佐久間、お風呂は？」

佐「脱ぎたくないから入らない！」

阿「…」

カードキーどっちに入れたっけ。たしか右。

ジャケットのポケットに手を入れてカードキーを取り出す。

阿「佐久間、後で返しに来いよ」


どうせ後で来るし、目的は果たしたから許そう。
俺のジャケット脱ぎたくないって、可愛い…。

部屋に戻ると川島先生は戻ってた。

今の俺の苦労…。

川「おかえりなさい」

阿「ただいまです」

川「阿部先生、疲れてません？」

阿「ジャケットを佐久間の部屋に取りに行ったんですけど」

阿「佐久間が脱ぎたくないと…」

川「佐久間可愛いですね」

阿「お風呂も入らないって…」

川「この部屋の露天風呂に入らせましょう」

阿「俺は佐久間とは入りません…」

川「佐久間泣きますよ」

阿「…」

理由を話したくない…。川島先生にはわからない悩みだもん…。

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