桃色の指先と翡翠の憂鬱 53

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お風呂上がりの牛乳をキッチンで川島先生から受け取った。

その後、川島先生はソファに寝そべった。

スマホ片手に何か見てるけど、今にも寝そうで。



阿｢如恵留、寝るならベッド行きなよ｣

川｢…はい｣

阿｢おんぶする？｣

川｢大丈夫です。おやすみなさい｣

真｢おやすみ｣

生｢のえさん、仕事の話は？｣

川｢また明日の朝ね｣

主寝室へ繋がるドアを開けて出て行ったけど…、足取りは重かった。



入れ替わりで頭にタオルを巻いて佐久間が出て来た。

佐｢のえちゃん、やばそう｣

阿｢斗真さん、如恵留は今は何の仕事をしてるんですか？｣

生｢会長から、業績の悪化しているホテルの再建を任されてます｣

佐｢ホテル？のえパパホテルあるなんて言ってない｣

阿｢俺も初耳｣

生｢西海岸ならありますよ。今回は買収したんです。経営不振なフロリダのホテル｣

真｢フロリダ？｣

佐｢ふろりだ？｣

阿｢マイアミ？｣

生｢オーランドです｣

佐｢のえちゃんまだ経営は素人だよ？｣

生｢素人目線で意見を欲しいと｣

阿｢オーランドって聞いたことある…｣

生｢フロリダの観光拠点です｣

阿｢再建？意見を聞くどっち？｣

生｢鋭いですね。経営を任せるつもりなんですよ｣

佐｢すげぇー｣

阿｢すごくないよ。これがどれだけ大変なことか｣

生｢はい。5年計画です｣

真｢5年…｣

生｢会長なら3年で黒字にします｣

佐｢のえパパならやれそう｣

阿｢舞台稽古と同時進行でやってたんだね｣

生｢終わったら現地入りするつもりなんです｣

佐｢それってずっと行っちゃうの？｣

生｢いえ。まずは視察から｣

阿｢学校辞めるって、もう伝えたみたい｣

生｢はい。会長が通達しましたから｣

佐｢もー。のえパパは強引なんだから｣

真｢のえさん大変だから俺たちで手伝えることやろ｣

佐｢にゃす｣

阿｢斗真さん話してくれてありがとう。佐久間も仕事｣

佐｢仕事？｣

阿｢ダンス部の動画見てくれない？｣

佐｢いいよ｣



川島先生の辞めるのは年度末だろう。中途半端に辞める人じゃない。


来年度から、のえパパの帝王学をまずはホテルの再建で学ぶ。

上手くいかなかったら？いや、川島先生が失敗するはずがないな。

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