桃色の指先と翡翠の憂鬱 53

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夕ご飯を片付けて、狗尾草のご飯を準備中に佐久間と真田くんが帰って来た。


佐｢カレーの匂いする｣

真｢お腹いっぱいなのに、カレー食いてぇ｣

川｢まだ残ってるから食べる？｣

佐｢食べる！さなぴー、無理すんなよ｣

真｢さっくんだって、無理すんなよ｣

佐｢にゃはは｣

阿｢焼肉、美味したかった？｣

佐｢うん。皿ごとひっくり返して入れたら、さなぴーに怒られて｣

真｢さっくん、タレと塩も混ぜて焼くし、半生なのに食べようとするし｣

佐｢もー。のえちゃんいないから、ガツガツ食べようと思ったのにさなぴーもうるさい｣

阿｢如恵留、うるさいって｣

川｢佐久間と焼肉は行きたくない｣

佐｢のえちゃん酔ってる？｣

阿｢2人でワイン1本空けちゃった…｣

真｢阿部さん、のえさんやばいよ。昼も食べてないし、稽古中もほぼ立ってたから｣

佐｢のえちゃん、シャワーだけで寝なよ｣

川｢うん｣

阿｢一緒にシャワー入って監視しとく｣

真｢そうして。さっくんのカレーは俺が準備するから｣

佐｢さなぴー、ご飯ないんだけど｣

阿｢フランスパンで食べたから。あとは適当にやって。狗尾草のご飯もよろしく｣




川｢阿部先生、お風呂行きますよー｣

壁に手を着いてふらふら歩く川島先生を追い掛けた。

そんな酔ってる感じしなかったのに。

服を洗面所で脱いで川島先生が先に入った。

手を強く引かれて、脱ぎ散らかした服を拾う俺を川島先生が中に引っ張った。

川｢監視してください｣

阿｢待って。服着てる｣

川｢どのみち洗いますし、このままで｣

阿｢もー。強引さは変わらない。如恵留、髪の毛洗ってあげるね｣

川｢お願いします｣

猫足バスタブに川島先生が腰掛けて頭を出してる。

シャワーで頭を濡らして、手にシャンプーを取って泡立てた。

阿｢金髪のメンテナンスとかしてる？｣

川｢してますよ。2週に1度は美容室行ってます｣

阿｢休みは取れないの？｣

川｢舞台が終わるまでは…｣

阿｢ちゃんとゆっくりする時間作りなね｣

川｢はい｣

シャンプーを流して次はトリートメントだ。

髪に馴染ませて、すすぐ。


阿｢リンスは？｣

川｢僕はしないです。アウトバストリートメント使いますし｣

阿｢へー。佐久間も使ってるやつ？｣

川｢佐久間が僕の物を使ってるんです｣

阿｢嬉しそうなんだけど｣

川｢髪が同じ匂いって喜んでます｣


川島先生は香水をいつも付けてるから、まさか髪の匂いがお揃いだとは。

後で、佐久間の髪の匂い嗅ごう。

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