桃色の指先と翡翠の憂鬱 53

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家に着いて猫たちが出迎えてくれたけど、いたのは斗真さんだけ。


生｢おつかれさま｣

阿｢ただいま｣

川｢まだ自主練中？｣

生｢ですね。まだ、帰って来てないです｣

川｢阿部先生はお風呂へ。僕が見てきます｣

阿｢うん｣

生｢あの。岩本さんがサウナに来てまして、阿部先生が戻ったら来て欲しいと｣

阿｢ひーくん？｣

生｢さっくんに会いに来たんですけど、自主練中と伝えたらサウナに行くって｣

阿｢わかった。斗真さん、お留守番ありがとう｣



川島先生が出て行って、俺も最上階のサウナに向かう。

明かりが付いていて、ノックをしてサウナのドアを開けた。


照｢待って。プールで冷やすから｣

阿｢うん｣


ひーくんは腰にタオルを巻いたまま、静かに外のプールに入った。

水中で少しじっとした後、上がってプールサイドのデッキチェアに座った。


阿｢佐久間いなくてごめんね｣

照｢お前、すぐ謝るよな｣

阿｢癖かな｣

照｢さっくんに会いに来たけど、リョウにも会いたかったし。なんか大変そうだな｣

阿｢まぁね｣

照｢ふっか、迷ってた｣

阿｢俺と佐久間のことでしょ？｣

照｢いや、内部告発って正義だけど、これは分かんねえって｣

阿｢うん｣

照｢高校の頃からふっかと付き合ってて、高校生活が楽しかったからね。隠してないのは悪いけど、突っ込んでも良いのかなってね｣

阿｢そうね｣

照｢さっくんとリョウはゲームがあったから、隠し通せたよな｣

阿｢確かに、そう。佐久間とゲームしてなかったら、辛かったかも｣

照｢んで。ゲームしない？ふっかは忙しいけど、原点回帰｣

阿｢いいよ｣

照｢ゲームするって言ったら、さっくん飛んでくるじゃん｣

阿｢ひーくん泊まってく？｣

照｢そのつもり。ふっか、今夜は徹夜っぽいし、話しかけると邪魔だし｣

阿｢如恵留いるから、メッセージで呼び出すね｣


川島先生にひーくんがさっくんとゲームしたいって呼んでることと、泊まるとメッセージで送った。

すぐにOKの猫のスタンプが返ってきた。




川島先生にお風呂に入るように言われてたな。

主寝室に戻って、お風呂に入った。

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