桃色の指先と翡翠の憂鬱 48

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川島先生が午後を丸々使って料理したんだな。

得意のイタリアンが並んで、いつもの食事よりダイニングテーブルが豪華だ。


川｢どうぞ｣

川父｢いただきます｣

パトリックはお酒が飲めないと、佐久間と同じジュース。


川｢父上、先程の安楽死とは？｣

川島先生、気になってたんだ。俺も、飼い犬を安楽死させるって、なんでって思ってたけど。


川父｢アメリカでは、治療するか安楽死するか聞かれるんだ｣

川｢治る病気でも？｣

川父｢治療費は高いし、痛みを取り除けないと動物虐待にあたるから、選択肢としては当たり前にあるよ｣

佐｢ルークちゃんはもう痛くないの？｣

パ｢大丈夫｣

川｢佐久間はすっかりルークの虜だね｣

佐｢もう、会いたくてしかたない。明日ニューヨークに行きたいくらい｣

川父｢さっくん、ルークが待ってるぞ｣

阿｢佐久間…｣

川｢父上、犬で佐久間を釣らないで下さい｣

パ｢ルークの部屋の隣がさっくんね｣

佐｢ルークちゃんも部屋あるんだねー｣

川父｢パトリックの部屋もあるよ。パトリックは料理も上手い｣

パ｢ありがとう。料理はグランマから｣

佐｢ルークちゃん、一緒に寝れる？｣

川父｢寝る時は、別。これは守って｣

佐｢わかった…｣



パ｢Mr.阿部｣

阿｢はい｣

パ｢ご飯がまずい？｣

阿｢ううん。佐久間、ニューヨーク行っちゃうんだなって寂しくなっただけ｣

川｢僕のご飯は美味しいんです｣

佐｢のえパパ美味しいよね？｣

川父｢Of course.｣

パ｢さっくんは修行のため。悲しくはないです｣

阿｢そうだね｣

川｢すぐ帰って来ます｣

川父｢さっくん、ルークのお世話で帰らなくてもいいよ｣

川｢父上｣


佐｢やるべき事、やりたい事、全て済ませたら帰るよ。ルークにも会いたいけど、俺のホームは日本だもん。Snow Manのみんながいるし｣

パ｢さっくんは大人ですね｣

川｢父上が子どもなんです｣

川父｢如恵留に言われたくないがな｣

佐｢ストップ。親子ケンカ禁止。のえちゃん、お父さんに会いたかったでしょ？こんなご馳走いっぱい作るんだもん｣

川｢…｣

佐｢のえパパも犬さんで、俺を繋ぎ止めようとしないで。犬さんは家族でしょ？ルークちゃんはのえパパの犬｣

パ｢その通り｣

川父｢すまん。ただ、さっくんが来てくれるのが嬉しくてな…｣



佐久間に叱られて、川島先生とのえパパは肩を落とした。

この2人を叱れるのは、佐久間だけだ…。

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