桃色の指先と翡翠の憂鬱 48

・ ページ46

川｢エコノミーだから、乗るのは最後ですね｣

阿｢それ、本当にエコノミーかな？｣

川｢え？｣

阿｢のえパパが荷物を出したところ、俺がビジネスクラスで使ったカウンターだったよ｣

川｢…｣

阿｢のえパパのサプライズかなって｣

川｢可能性は高いです｣

照｢ビジネスクラスって広い？｣

阿｢うん。個室みたいで完璧だよ｣

川｢さなぴーもビジネスでしたね｣

阿｢公平な人だから、同じでしょ｣

深｢のえさん、そっくり｣


川｢佐久間から｣

川島先生がスマホを取り出して、電話を受けてる。

川｢そうかなって阿部先生と話してたよ｣

川｢代わるね｣

受け取ろうとして、川島先生はひーくんにスマホを差し出した。


ひーくんは驚いた顔をしたけど、すぐに満面の笑みになった。

照｢うん｣

照｢俺も。ふっかに代わるね｣

ふっかの顔も驚いてる。

深｢ん？｣

深｢あぁ、おっけ。次は舘様ね｣

佐久間からの電話に気付いて、みんなが寄ってきた。

舘｢ごきげんよう｣

舘｢うん。わかったよ。さっくん、またね｣

舘｢翔太！｣

渡｢さっくん、うん｣

渡｢次は、ラウ｣

ラ｢僕の番が来た｣

ラ｢あははっ。ありがとう。次はめめだって｣

目｢ありがとう。次はこーじ｣

康｢さっくん！｣

康｢あははっ、おおきに。次は冷也｣

冷｢俺もいいの？｣

康｢さっくんのご指名やで｣

冷｢うん｣

冷｢ありがとう、さっくんもね。次はあべちゃん先生｣

阿｢うん｣



やっと俺の順番が回ってきた。

佐｢あべちゃん｣

阿｢佐久間｣

佐｢1+1は？｣

阿｢2｣

佐｢にゃはは。そうやって、笑ってて。いってきます｣

阿｢いってらっしゃい｣

電話が切れて、川島先生に返した。

冷｢さっくんの声、楽しそうだったね｣

阿｢うん、冷也、なんて言われたの？｣

冷｢学校は楽しいから、頑張れって｣

阿｢そうだね、学校は楽しいところだね…｣



佐久間に楽しい場所を作れって言われてる気がする。

学校は楽しいか。

あんなに勉強を嫌がってたのに、楽しいって言われて、ほっとする。

川｢搭乗直前でした｣

阿｢うん。回りがうるさかったね｣

川｢最後まで、みんなのことを思う天使ですね｣

阿｢離陸したらすぐメッセージ来るよ｣

川｢はい｣



ニューヨークにちょっと観光に行く。

佐久間はそのくらいのノリなんだよな。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す