桃色の指先と翡翠の憂鬱 48

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目｢冷也くん、こっちおいで｣

和に入らず遠慮してる冷也をめめが呼んで席を譲って座らせた。

目｢そのスーツ、かっこいいね｣

冷｢のえちゃん先生の入学祝｣

佐｢冷也だけ？｣

冷｢んーん。他のみんなも何か貰ってるよ｣

川｢冷也、それは秘密｣

阿｢良いじゃん。如恵留は優しいんだから｣

舘｢男の美学だよ｣

川｢はい｣

渡｢どっかの誰かさんみたいにチョコで威張らないのがかっこいいな｣

深｢それ、俺のことかよっ｣

照｢だから、そのチョコは俺のだって｣

ラ｢チョコで揉めるって子どもっぽい｣

照｢あ？｣

佐｢ひかるが拗ねるぞー｣

照｢拗ねてない…｣

康｢チョコ、俺も持っとるよ。照兄どうぞ｣

佐｢みんな、持ってるお菓子をひかるにあげて｣

阿｢ラムネでいい？｣

照｢だから、拗ねてないって、元はと言えばふっかのせい｣

ラ｢夫婦喧嘩って、きつい｣

佐｢ひかるをいじるのラウだけ｣

深｢俺らの息子、最近厳しい…｣

照｢それな｣

舘｢さっくん、俺の膝の上も空いてるよ｣

佐｢国王、今行きます｣

佐久間が今度は舘様の膝の上に座った。




渡｢さっくん、そこ座っていいのは俺だけ｣

ラ｢ここも夫婦喧嘩すんの？｣

康｢しょっぴーは俺の上に座ればええやろ｣

渡｢やだ｣

康｢振られてもうた…｣

阿｢こーじ、お邪魔します｣

康二の上に座ると、川島先生がサングラスを外して振り返った。



川｢阿部先生、はしたないです｣

阿｢ごめん…｣

川島先生の視線が怖くて立ち上がった。

佐｢のえちゃん、お父さんに振り回されてイライラしてるから｣

川｢佐久間、みんなにお別れの言葉とかないの？｣

佐｢えー。ないよ｣

舘｢Bon Voyage.｣

康｢舘様、タイミング早すぎやろ｣





川父｢Hello everyone.｣

パ｢Hello.｣

紙袋を2つ持ったパトリックとのえパパがエスカレーターから降りて来た。

川父｢みんな、揃ってるね｣

ラ｢のえパパさん｣

川父｢ラウ、卒業おめでとう。パトリック、車の鍵を渡して｣

ラ｢車の鍵？｣

川父｢さっくんとさなぴーの支援をして、ラウに何もないわけにいかないからな｣

ラ｢え？車を僕に？｣

パ｢テスト運転はしておいた｣

目｢ラウ、教習所に行きたいって言ってたよね｣

深｢ラウ、一緒に行くかっ｣

照｢そう言って毎年行かないじゃん…｣

ラ｢ありがとうございます｣



あの車はラウへのプレゼントだったか。

パトリックから鍵を受け取って、ラウが困惑しながらお礼を伝えた。

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