桃色の指先と翡翠の憂鬱 43

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真｢ロンドン行かないって選択肢も考えてます｣

佐｢え？｣

真｢でも、うん。行く｣

川｢彼女のこと？｣

真｢うん、付き合ってって言われて初の恋人って浮かれてたけど、さっくんの方が可愛いし…｣

阿｢佐久間のせいだ｣

佐｢俺のせいなの？｣

真｢違うって。俺の問題｣

川｢佐久間より可愛い人、そうそういないからね｣

佐｢俺、可愛くはない｣

阿｢可愛いよ｣

真｢阿部さんとさっくんって、ケンカしないよね｣

佐｢前はしてたよ｣

阿｢してた。してたけど、何でも話すって約束したから。ケンカしても話し合うことにしてる｣

川｢阿部先生、佐久間が嫌いって言っても真に受けないですよね｣

佐｢にゃは。さっきも言ったそれ｣

阿｢俺が佐久間を嫌いになることなんかないし、佐久間も同じでしょ？｣

佐｢うん。のえちゃんもそうだよね｣

川｢そうだね。さなぴー今回ここに来たこと、必然かもしれない。でも、自分に好意を持ってくれる人は大切にね｣

真｢うん｣

佐｢あべちゃんはだめです｣

阿｢なにが？｣

佐｢俺とのえちゃん以外に好意を持ってくれる人、大切にしないで｣

真｢はぁ、さっくん。そういうところが可愛い｣

川｢佐久間は僕のものだ｣

川島先生が湯船の中で佐久間を抱きしめた。

佐｢にゃはは。のえちゃんも俺のものだー｣



真｢阿部さんは？｣

阿｢2人が仲良いの嬉しい｣

真｢阿部さんは心が広いなぁ…｣

阿｢そんなことないけど｣

川｢ケーキ食べましょうか｣

佐｢ケーキ？｣

川｢お誕生日にはケーキだよ｣

佐｢お風呂出る｣

佐久間が、先にお風呂から上がった。



阿｢用意してくれたんだ…｣

川｢はい｣

真｢旅先でも、川島さんは変わらないですね｣

川｢さなぴーはさなぴーらしくね｣

真｢はい｣

阿｢俺は恋愛経験が少ないけど、穏やかに育む恋もあると思うよ｣

川｢佐久間みたいな恋は、めずらしいから｣

真｢はい｣



お風呂から上がって、佐久間が隣の部屋の2人を呼びに行った。

川島先生は、ケーキを持って来てくれるように頼んだ。

予約する時に、お願いしてくれたんだろうな。

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