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46滴目 ページ47

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「美味しい……!A、料理上手なんだね」

リビングへ向かうと味噌汁、焼き魚、サラダといった色とりどりな朝食が並んでいた。
どれもとても美味しくて、正直姉さんが作るものよりも美味しかった。こんなこと言ったら怒られるから絶対言えないけど。


『そんなことないよ! お姉さんがいろいろ教えてくれたおかげだし』
「いや、Aちゃんも相当お料理に慣れてる感じだったよ。手際良かったもんね〜」

なんかこんな楽しそうな姉さん久しぶりに見た気がする。Aも嬉しそうだし、いい事なのかな……?




「さて、じゃあ昨日の結果を報告しておこうかな」

朝食を済ませたあと、お姉さんが少し真剣な顔つきになりそう言い出した。
牧野って男は本当にあのおじさんの子供だったのかな、写真はどうなったんだろう……

少し怖くて俯いていると、隣にいるきんときくんが手を握ってくれた。
そうだよね、今の私にはきんときくんがいるんだもの、きっと大丈夫。


「昨日その牧野さんの家に殴り込みに行ったわけだけど。やっぱりAちゃんのことを脅してた男の子はそこの子だったみたい」

お姉さんが見せてくれた写真には、あのおじさんとあの男が映っていた。どうやら本当に親子だったみたい。

ろくでもない親子だなぁ……私の言えたことじゃないかもしれないけど。


『あの、それでどうなったんですか……?』
「それがね、かなり良い方向に進んだんだよ!」

お姉さんはぱっと笑いながらそう言った。


なんと運の良いことに、昨日私が突き飛ばして尻もちをつかせたタイミングで男のスマホが地面に叩きつけられ、バキバキになって壊れたらしい。
恐らく中のスマホのデータも使い物にならないだろうとのことだ。


『そ、そんな偶然が……』
「だから多分、少なくともまだ拡散とかはされてないはず」

お姉さんはなぜかそのバキバキのスマホを取り出しながら言った。

「え?何で姉さんがそのスマホを……?」
「まぁちょっと、お前のお父さんがやったことバラすぞ〜って言ったらね、ちょっとね」

私も過去にいろいろやられたし、と黒い笑みを浮かべながらお姉さんはそう言った。
……この人、なんだか敵に回したらいけない気がする。


「まあ念の為よ。データが残ってたら厄介だから完全に消したら返すつもりだよ」

こっちの問題は大丈夫だから安心してねとウインクしながら彼女はそう言った。

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作者名:ふわぴ | 作者ホームページ:http://urana  
作成日時:2021年1月30日 17時

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