青に溶かされて、 (ページ42)

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41滴目ページ42

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『あの人の苗字って牧野だったんだ……言われてみればちょっと似てるかも』
「なるほどね……よし、そっちのお話はお姉ちゃんに任せておいて！」
「どういうこと？姉さんそいつのこと知ってるの？」
「知ってるも何も過去のATMだからねえ……ちょっと閉鎖させてくるわ」

お姉さんは意味深な言葉を残すと、とても悪そうな顔をしながら部屋から出ていった。
きんときくんは相変わらず状況が飲み込めない、という顔をしていた。

『えっとね、きんときくん……』

私は彼に、私が以前会っていたおじさんの名前が牧野だと言うこと、そしておそらく私を脅してきたやつはそのおじさんの子供かもしれない、ということを伝えた。

「なるほど、それは……まあ血は争えないって言うもんね」
『ほんと、そんな血これ以上受け継がれないでほしいんだけどね』

これで解決するといいけど、とポツリと呟くときんときくんもあははと苦笑いしていた。

『ほんとに、いつもごめんね。きんときくんにはずっと迷惑かけてばっかりで……』
「そんなの今更でしょ。Aさんはもっと自分に優しくならなきゃダメだよ？」

まあその分俺が甘やかしてるんだけどね、とまるで彼氏のようなことをサラッと言ってのける彼は本当に罪深い男だ。

こんなの好きにならないはずがないもんね。そう思うとちょっと悔しくなるような気がした。