4滴目 ページ5
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「さあ、好きなものを頼んでいいよ!Aちゃんってコーヒーは好きかな?ここの喫茶店はね、」
あーあー、また始まった長話……この人変なところには理解があるのにこういう根本的な性格は面倒だな。
だからこうでもしないと女の子と関わり持てないんでしょ……と思いつつも私は笑顔でへぇ、詳しいんですね、と適当に相槌を打つ。
てか何食べようかな、パスタは昨日食べたし……オムライスとかでいっか、オムライス食べる女の子好きそうだしこの人、まあ知らないけど。
一通りコーヒーのどうでもいい話をし終えたおじさんにオムライスが食べたいと伝えると、やはり予想通りの反応を見せた。
「Aちゃんは自分でオムライス作ったりするの?」
『え?あー……たまに作りますよ。お店みたいなふわふわしてるやつは難しくてできないんですけどね』
「そっか〜いつかおじさんもAちゃんの作ったオムライス食べてみたいな、なんて」
私は思わずうげっと声が出そうになったが、なんとか笑顔を貼り付けたままあはは、それまでに上手く作れるようにならないと〜とか言ってごまかした。
誰がオッサン相手にオムライスなんか作るの……自分で作りなよと思いながら、ひたすらコーヒーの話の続きを聞き続けた。
あーもう、このままじゃコーヒー嫌いになっちゃいそう。
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作者名:ふわぴ | 作者ホームページ:http://urana
作成日時:2021年1月30日 17時