青に溶かされて、 (ページ4)

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3滴目ページ4

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『昨日ぶりですね、牧野さん』
「ああAちゃん！今日も学校お疲れさま」

時刻は7時、空は星の輝きが若干見えるか見えないか位の明るさだ。
今日もまた作り笑いを浮かべて素性も知らないおじさんと出かけなければならない。

手は繋がず、遠慮がちに腕を絡めてやると相手は満足そうに微笑んだ。いやあなたが笑っても全然気持ち悪いだけなんですけど……

相手のおじさんはそんな私の内心もつゆ知らず、今日は何が食べたい？とニコニコしながら聞いてくる。

『うーん…昨日はちょっと高いイタリアンでしたし、今日はそんなにお腹も空いてないので軽いものでいいですよ』

さすがにいつも高いものばかり奢られるとあとが怖い。これだけ払ってやったんだからと見返りを求められても困る。
さすがの私も時間は売れても身体は売りたくないから。

それにこのおじさんは控えめな子が好きらしいので、そんな私の返答にとても嬉しそうに笑った。

「じゃあね、おじさんが好きな喫茶店があるんだけど……」

おじさんが行くような喫茶店なら、きっと同年代の人もいないし安心だろう。
この人も一応そういうことは理解しているのか、高校生の行くような場所は避けてくれている。

まあ、この関係がバレて困るのは自分だもんね。