青に溶かされて、 (ページ19)

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18滴目ページ19

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『うわあ、ゲーセンとかいつぶりだろう』
「そんなに来てないの？」
『うん。それにテスト前に来るとか罪悪感があるっていうか……』
「でも背徳感もあるでしょ？ほら、あのキーホルダーとかかわいいよ！」

私がゲームセンターの入口でうだうだとしていると彼はふらふらと近くにあるUFOキャッチャーへ近づいた。

筐体の中には手のひらサイズのペンギンのキーホルダーがたくさん入っていた。
懐かしいなあ、私これめちゃくちゃ下手だったんだよね。昔はパパによく取ってもらってたっけな。

私はきんときくんがキーホルダーを取ろうとしてるのをひたすら眺めていた。

UFOキャッチャーというものはやはりズルい仕様になっているらしく、いくらお金を入れてもアームが弱すぎて少しずつしかキーホルダーは動かない。

こんなのただのお金の無駄なのになあなんて、つまらないことを考える自分に少し嫌気がさす。

それでも必死にキーホルダーを取ろうと頑張るきんときくんを見るのは、ちょっとだけ面白かった。

「んー、あとちょっとなんだけど……そうだ、Aさんやってみてよ！」
『へ、私が？私これ下手なんだけど』
「いいのいいの！はいどうぞ」

彼はなんとご丁寧に100円を入れた状態で私に譲ってくれた。
ほんとはやりたくないけど、彼を見ると早くやれという含みのある笑みで私を見ていた。
まったく、こういうところは強引なんだからきんときくんは……