+ ページ34
**
「さーてと！散歩行く？」
『行く！外って寒いかなぁ』
「うーん、どうだろ」
そこまで寒くないかも、と言いながら薄めの上着を手渡してくれる彼。
私はそれを受け取りながら、ふと浮かんだ疑問を彼にぶつけてみた。
『……ねえ、なんでなかむはこんなに私のこと応援してくれるの？』
突然そんなことを言い出したせいか彼は一瞬ぽかん、とした顔をしたかと思えばもー！と叫びながら抱きしめてきた。
「どうしたの突然。不安になっちゃった？」
『いや、なかむって私に甘すぎるよなって思って……』
「あのね、俺はA先生の作品が好きなの！」
A先生のおかげで俺にはない新しい世界を見ることができるし、そんな機会を1番に与えてもらえるんだからそれくらい当然でしょ！と彼はちょっとぷりぷりしながら言ってきた。
「……それに、Aは俺の大好きな人だから。好きな人を応援したいと思うのは当然でしょ？」
ちゅ、と頬に短いキスをしながら恥ずかしげもなくなかむはそう言った。
いつもは元気でちょっとかわいいくせに、こういうかっこいいところがあるのはほんとずるい。
「これでもまだ伝わらないならもう直接、」
『あー！ほら、早く行かないと遅くなっちゃう！ね、行こっ！』
バタバタと準備を始めると後ろからちぇっ、逃げられたか……と恐ろしい言葉が聞こえた。
「ほーら、もう手出さないから早く行くよ！」
『うう、ほんとに？』
「ほんとだって！俺が今までに無理やり手出したことある？」
『……ちょっとあるくない？』
「いや、うーん。あれは合意の上でしょ」
えぇ……と引いているとなかむは結局無理やり手を掴んできた。
『もー、結局無理やりじゃん！』
「それくらいの愛情をあげないとA分かってくれないでしょ！」
心地よい風が吹く中、私となかむは手を繋ぎながらゆっくりと街灯の光が輝く街並みを歩いた。
『おうちに帰ったら次はギターね！』
「はいはい。あーあ、明日が休みだったらもうちょっと先までできたのにな……」
『ちょっとなかむさん？』
「えー？なんでもなーい！」
……まったく、どうやらA先生のアシスタントは彼女が想う以上にAを好いているらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 300人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふわぴ(プロフ) - ぱふぇ。ライム。推し悪。(省略)さん» アイドルパロは自分でもちょっといい感じに書けたかなと思ってたので喜んで貰えて嬉しいです…！続編も読んでくださるんですね！ありがとうございます！ (2021年5月28日 10時) (
レス) id: a7c055b2fc (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぇ。ライム。推し悪。(省略) - 推し変禁止もアリっすね……うわ、本当にどれも好きっす……これから続編に向かうっす！(深夜テンションなだけなので気にしなくていいっすよ！) (2021年5月26日 3時) (レス) id: 01ab6b60a3 (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぇ。ライム。推し悪。(省略) - うわぁ……全話好きです………でも特に好きなのやっぱknさんのアイドルっていうのが凄く好きです……それできゅんきゅんするような台詞は本当に……だめですって………… (2021年5月26日 2時) (レス) id: 01ab6b60a3 (このIDを非表示/違反報告)
ふわぴ(プロフ) - なのもちさん» ひえええありがとうございます！！もらって嬉しい言葉のオンパレードですありがとうございます………！！続編も頑張ります！ (2021年5月13日 11時) (レス) id: a7c055b2fc (このIDを非表示/違反報告)
なのもち(プロフ) - 今日、見かけて今日、好きになりました。もう、語彙力がとけるくらい良い作品で、正直なんで今まで見てこなかったんだろうって感じです。これからも頑張ってください！続編も楽しみです！ (2021年5月12日 21時) (レス) id: b3104d6996 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふわぴ
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2021年1月17日 22時
